「外部給排水工事って何?」「この費用って何にかかってるの?」「どこまでが自分の負担になるの?」
建物を購入したりリフォームの見積もりを見たりしたとき、そんな疑問や不安を感じたことはありませんか?
専門的な言葉が多く、内容が見えづらい「外部給排水工事」。でも、実は家の暮らしに直結する大事な部分なんです。
私自身、住宅業界でたくさんのお客様から「なんでこんな費用が必要なの?」という声を聞いてきました。
この記事では、住宅リフォームや建築現場の経験をもとに、外部給排水工事の基本から費用の目安、
見積もりでチェックすべきポイントまで、初心者にもわかりやすく解説します。
■この記事でわかること
・外部給排水工事とは何か、どこを指すのか
・工事が必要になるタイミングやチェックポイント
・工事費用の相場と、費用が変動する要因
外部給排水工事は、家の「当たり前の快適さ」を支える重要な工事です。内容と費用の目安を理解しておくことで、
不必要な支出やトラブルを防ぎ、安心して工事を進めることができます。
外部給排水ってどこのこと?
外部給排水とは、建物の外で上下水道とつながっている配管のこと。
家の周りを見てみると、地面に丸いフタが点々とありませんか?
あれが「排水桝」や「雨水桝」で、トイレ・キッチン・お風呂などの排水を外へ流すための設備です。
- 一番大きいフタ → 最終桝(公共排水への出口)
- 小さいフタたち → 排水桝(各室の排水が集まる通過点)
- 穴あきのフタ → 雨水桝(雨水や敷地の水を側溝へ)
そして、水道メーターのあるフタの下には給水管があり、ここから建物内へ水が供給されます。

水回りがある位置の外に桝はあるよ。
新築の場合は基礎ができてから先行で仕込むことが一般的です。
穴の空いたフタがある桝は雨水桝です。雨水や敷地内の水を道路側溝などに流す役割を果たします。地域によっては、生活排水と雨水を一緒に流す方式を取っているところもあります。その場合は匂いが上らないように蓋には穴が開いていません。
給水については、敷地内の四角いフタを開けると水道メーターが設置されています。フタには引き込み管のサイズが記載されているのが一般的です。ここから建物内の水回りへと給水管を引き込みます。
工事や補修が必要になるタイミングは?
近年の新築では、耐久性の高い塩ビ製の配管(VP管)が使われており、50年以上は持つといわれています。
ですが、以下のケースでは補修や交換が必要になることも:
- 築30年以上の建物 → コンクリート桝や鉛管が使われている可能も
- 地震・地盤沈下 → 配管がズレて勾配が逆になるなどトラブル発生
- 雨水桝の詰まり → 泥や落ち葉の蓄積で流れが悪くなる

地盤改良しているお家は、排水周りは特に対策していないことがほとんど
定期的なチェックはオススメです。
給排水のチェックポイントはここ!
排水桝のフタ、開けてみよう
「ちょっと汚そうだな…」と思っても、勇気を出して2〜3年に一度は確認を。
勾配が逆になっていると、排水が逆流したり、悪臭の原因になります。
また、古いコンクリート桝では隙間から汚水が漏れて土壌汚染につながることも。
そんな時はインバーター桝への交換が安心です。
雨水桝の中に泥が溜まっていませんか?
砂利や泥が底に溜まっていると、排水管が詰まって雨水が溢れる原因になります。
定期的に清掃してあげましょう。
給水管の素材チェック
築30年以上の建物では、給水管が鉛管である可能性があります。
水道メーター周辺の配管を確認し、赤茶色い管であれば鉛管の可能性が高いので、業者や役所に相談してみましょう。
また、リフォーム時や蛇口を増設する場合は役所への申請が必要です。
水圧などで不便を感じていない場合は、給水管のサイズを変更する必要はありません。
最後に、水漏れも重要なチェックポイントです。
地震や施工不良で配管が破損し、水道検針時に異常が見つかれば、役所から水漏れの可能性を指摘されることもあります。
工事費の相場
工事費用はケースバイケースですが、新築の場合は建物本体価格の10%程度が目安と言われています。
費用の一例(目安):
工事内容 | おおよその費用 |
---|---|
道路側の工事(引き込みなど) | 約100万円〜 |
敷地内の排水・給水工事 | 30〜50万円 |
費用に影響するポイント:
- 配管の距離(長いと高くなる)
- 敷地の状況(コンクリート?土?)
- 施工のしやすさ(重機が使える?手掘り?)
配管は「なるべく短く」がコスト的には理想ですが、利便性も忘れずに。
狭小地や人力作業になると、思いのほか費用がかさむケースも。
そのためにも、早めに業者と相談し、現地調査を依頼することが大切です。
まとめ
給排水は、普段は気づきにくいけれど、暮らしを支える大事なインフラです。
「壊れてから」ではなく、「壊れる前」にメンテナンスすることが、
長く快適に暮らすためのカギになります。
ぜひこの記事を参考に、
マイナスドライバー片手に、今週末は点検してみませんか?

見たくないものが見えた場合は、そっと蓋を閉めてください。
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