外部給排水工事について

建物

建物を購入する時やリフォーム時に、
「外の配管工事費用で〇〇円?なにこれ?」
「どんなことをしているの?」
と、疑問に思う方も多いのではないでしょうか?

今回は、某大手リフォームメーカーで全国1位の実績を持つ元エリアマネージャーが、

外部給排水工事についてわかりやすく解説していきます。

少しでも皆さんの家づくり・住まいづくりの参考になれば幸いです。

外部給排水とは?

「外部給排水ってどこのこと?」
そう思われる方も多いと思います。

外部給排水とは、建物と公共の排水や給水をつなぐ配管のことを指します。

おうちの外を見てみると、大きめのフタがついた桝(ます)があるはずです。これが最終桝で、公共の排水につなぐ部分になります。

また、敷地内に小さなフタがいくつか点在していますが、これが外部排水桝です。トイレ・洗面所・キッチンなどからの排水が、最終桝に向かって勾配をつけて流れていきます。コーナー部分にはメンテナンス用の桝も設置されています。

穴の空いたフタがある桝は雨水桝で、雨水や敷地内の水を道路側溝などに流す役割を果たします。地域によっては、生活排水と雨水を一緒に流す方式を取っているところもあります。その場合は匂いが上らないように蓋には穴が開いていません。

給水については、敷地内の四角いフタを開けると水道メーターが設置されています。フタには引き込み管のサイズが記載されているのが一般的です。ここから建物内の水回りへと給水管を引き込みます。


交換や補修のタイミングは?

最近の新築住宅では、塩ビ製のVP管が使われており、接続不良がない限り50年以上持つとされています。

ただし、地震や地盤沈下などでトラブルが発生することもあります。

古い建物(築20〜30年以上)では、コンクリート製の排水桝が使われていることがあり、この場合は配管と桝の間をモルタルで埋めているため、劣化による補修が必要になります。

給水については、築30年以上の建物で鉛管が使われているケースもあり、この場合は交換を強くおすすめします。地域によっては補助金が出る場合もあるので、確認してみましょう。


チェックポイント

排水のチェック

排水桝は汚れているので開けたくないかもしれませんが、定期的にフタを開けて確認することが大切です。

地震などの影響で排水勾配が逆になっていると、汚物が溜まり流れなくなることもあります。コンクリート桝の場合、桝と配管の隙間から汚水が敷地に染み込み、土壌汚染や地盤沈下の原因にもなります。

この場合はインバーター桝への交換をおすすめします。

私も何度か調査のタイミングで逆勾配や桝と配管の隙間で汚物が、”こんにちは”している場面に出くわしています。

雨水桝のチェック

雨水桝も同様に、底に砂利や泥が溜まっていないか定期的に確認し、清掃を行いましょう。溜まったままにしておくと、排水管が詰まる原因になります。

給水のチェック

築30年以上の建物では、給水管が鉛管である可能性があります。
水道メーター周辺の配管を確認し、赤茶色い管であれば鉛管の可能性が高いので、業者や役所に相談してみましょう。

また、リフォーム時や蛇口を増設する場合は役所への申請が必要です。
水圧などで不便を感じていない場合は、給水管のサイズを変更する必要はありません。

最後に、水漏れも重要なチェックポイントです。
地震や施工不良で配管が破損し、水道検針時に異常が見つかれば、役所から水漏れの可能性を指摘されることもあります。


工事費の相場

工事費用はケースバイケースですが、新築の場合は建物本体価格の10%程度が目安と言われています。

以下はおおよその相場です:

  • 道路に関わる工事(最終桝・水道メーター引き込みなど):100万円以上
  • 敷地内の排水工事:30〜50万円程度

費用に影響する主な要素は以下の通りです:

  • 配管距離
  • 敷地状況(土・コンクリート・近隣との接続など)
  • 施工のしやすさ(手掘り・重機使用・狭小地など)

距離が短いほどコストは下がりますが、プラン作成は利便性を考えた配置も大切です。

また、敷地状況によっては補修費用が大きく変わることもあります。
作業のし易さは、重機が入るかどうかで作業効率が大きく変わるため、施工性も重要なポイントです。狭小地域で、身動きが取れない場所での手作業は、本当に大変です。


まとめ

外部給排水工事は、建物を快適に機能させるために欠かせない縁の下の力持ちです。

普段は見えない場所ですが、2〜3年に一度は点検を行いましょう。
マイナスドライバーでフタを開ければ簡単に確認できます。工事が必要な場合は、相場を把握しながら信頼できる業者と相談して進めるのが安心です

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