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シロアリがいる家・来ない家の特徴|床下を見てきたプロが解説

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「シロアリ対策って本当に必要?」

「業者に『メンテナンスしましょう』と言われても、正直よく分からない…」

そんな風に感じていませんか?

実は、戸建て住宅に住んでいてもシロアリについて理解している人は多くありません。「なぜ出てくるの?」「どう対策するの?」と戸惑うのも当然です。

多くの建物調査の現場で、見た目では分からないほど内部が食い尽くされた柱を、私は何度も目にしてきました。住んでいる方が被害に気づく頃には、すでに深刻な状態になっているケースも少なくありません。

シロアリは普段の生活では見えない存在です。だからこそ、「必要かどうか分からない」「判断が難しい」と感じるのは当然です。

■この記事でわかること

  • なぜシロアリが発生するのか
  • どんな住まいの環境が危険なのか
  • いつ、何をすれば後悔しないのか
  • シロアリが来ない家(来にくい家)との違い
  • 食べられてしまった後の補修費用

結論、定期的メンテナンスを怠ると、被害は確実に進行します。

ただ、シロアリ被害の多い建物や環境には一定の共通点があります。この記事では、実際の体験をもとに分かりやすく解説します。

strato
大手ハウスメーカー リフォーム部
元エリアマネージャー
エリア実績 全国No1獲得
現在は独立してブログで住まいの情報発信中
建築業界25年の知識を発信します。

シロアリ対策はすべての木造住宅で必要か?現場で見てきた現実

シロアリ対策はすべての家で「考える必要がある」メンテナンスです。

ただし、環境次第で「定期確認だけで済む家」もあれば、「原因対策まで必要な家」もあります。

特に木造住宅では、住まいの環境次第で確実に必要になるメンテナンスです。

木造住宅はもちろん、

  • 鉄骨造(S造)
  • 鉄筋コンクリート造(RC造)

これらの建物であっても、下地材に木が使われていたり、畳のある和室、本や段ボールを保管している納戸があるなどシロアリが侵入する条件は十分に揃います。

実際の調査現場では、外見はしっかりしているのに、中身だけが食べられてスカスカになった木材を何度も見てきました。

被害が進行すると、一般の方でも手で握っただけで木が潰れてしまうほど、強度が落ちてしまいます。

新築時には建築基準法により、地面から1m以内の土台・柱・筋交いに防蟻処理が義務付けられており、通常は5年間の保証が付いています。

問題は、その保証が切れた後です。

木造住宅では、「木=構造」です。手で握って潰れては構造の役目を果たせません。

▶関連記事:【耐震補強】どこまで必要?築年数と基本知識を耐震診断士が解説

シロアリはアリじゃない?生態を知ると見えてくる発生環境

シロアリはアリの仲間ではありません。実はゴキブリに近い仲間で、湿気の多い環境を好む生き物です。

代表的な種類は以下の通りです。

  • ヤマトシロアリ:日本全国に生息
  • イエシロアリ:西日本中心(近年は分布拡大傾向)

最近ではアメリカカンザイシロアリの被害も。輸入家具には注意が必要です。

特に注意が必要なのがイエシロアリです。

自分で水分を運べるため、床下だけでなく2階や小屋裏まで被害が広がることがあります。

自然界では、シロアリは枯れ木を分解する大切な存在ですが、家の中に入ると話は別です。

シロアリは、

  • 木の内部
  • 蟻道(トンネル)

これらを通って進行するため、目に見える頃にはすでに被害が進んでいるケースがほとんどです。

基礎周りに土の筋のようなもの(蟻道)を見つけたら、要注意です。

シロアリがいる家の特徴|床下を開けて分かった被害の共通点

シロアリ対策で最も重要なのは、薬剤よりも「住まいの環境」です。

過度に怖がる必要はありませんが、環境を放置すると、被害は確実に進行します。

これまでのリフォーム現場での体験では、シロアリ被害の多くが、次のような要因をきっかけに発生していました。

  • 雨漏りによる木部の腐食
  • 水漏れによる腐食
  • 換気不足による高温多湿状態
  • 一年中日の当たらないエリアの湿気・高湿度の放置

これらの状態がある家は、シロアリを呼び込む条件が整っていると言えます。

まずは「原因を断ち切ること」が最優先です。

布基礎で換気口が少ない家は、床下を開けた瞬間に分かる

私がリフォームで床下を開けてきた中で、被害を見つけることが多かったのは、基礎が「布基礎」(床下に地面の土が見えている基礎)で、換気口が少ない、もしくは塞がれている家です。

こうした家は、床下の点検口を開けただけでカビの匂いがします。

そして、その匂いがする家は、どこかにシロアリ被害があることが多いです。

地面からの湿気が床下にこもり、逃げ場がない状態です。シロアリにとっては、これ以上ない環境と言えます。

在来浴室の家は、ほぼ100%土台が傷んでいる

在来浴室とは、タイル張りの床や壁で、現場で防水をつくったお風呂のことです(ユニットバスが普及する前の造り)。

在来浴室のお宅をリフォームで解体すると、ほぼ100%の確率で土台や柱に腐食があります。長年の水はねや、タイル目地のひび割れから水が回り、木が湿った状態が続くためです。

そして腐った木には、シロアリがセットで入っていることが多いです。

▶関連記事:【プロ解説】戸建て住宅の狭いお風呂を広く快適にリフォーム|注意点とポイント解説

キッチン・洗面所は「水漏れ」と「北側の湿気」

キッチンや洗面所も被害が多い場所です。原因は大きく2つあります。

  • 給水管・排水管からのわずかな水漏れ
  • 換気の悪い北側に水回りがあり、床下が常に湿っている

床下の水漏れは住んでいる方が気づきにくく、見つけたときには周りの木材がシロアリに食べられていた、ということが珍しくありません。

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旧家は「北側の庭木」と「太い木材への油断」に注意

旧家(昔ながらの大きな木造住宅)で特に多いのが、北側に木が植わっていて、一年中日陰で湿気が抜けない家です。

さらに旧家は柱や梁が太いため、「これだけ太い木なら大丈夫」と高をくくっている方が多く、それが発見の遅れにつながっています。

太い木材でも、中が食べられて空洞になれば強度は落ちます。材の太さは安心材料になりません。

▶関連記事:【築100年の古民家】リフォームすべき?解体すべき?|業界25年が本音で教える判断基準

シロアリが来ない家の特徴|被害が少ない家に共通する条件

先に結論をお伝えすると、「シロアリが絶対に来ない家」はありません。シロアリは日本中どこの土の中にもいるからです。

ただし、「来ても被害になりにくい家」はあります。上で紹介した被害が多い家の特徴を裏返すと、そのまま「シロアリが来ない家(来にくい家)」の条件になります。

被害が多かった家シロアリが来にくい家
布基礎で床下に土が見えているベタ基礎、または防湿シート・防湿コンクリートで地面の湿気を止めている
換気口が少ない・塞がれている床下換気口の前に物がなく、風が抜けている
在来浴室(タイルのお風呂)ユニットバスに入れ替え済み
給排水の水漏れを放置している水漏れがなく、あってもすぐ直している
北側に庭木があり一年中日陰建物の周りに湿気がこもらない
材が太いから大丈夫と油断している定期的に床下を点検している

ベタ基礎なら安心、とは言い切れない

最近の新築はベタ基礎が一般的で、床下に土が見えないため、布基礎よりシロアリは入りにくくなります。

ただし、配管が基礎を貫通している部分や、コンクリートの継ぎ目からシロアリが入ることもあります。また、イエシロアリは自分で水を運べるため、乾いた場所でも被害を広げます。

「来ない家」とは、構造だけでなく、湿気をためない暮らし方と定期的な点検がそろった家のことだと、私は考えています。

今の家を「来ない家」に近づけるには

  • 床下換気口の前の花壇・物置・植木鉢をどける
  • 基礎の周りに廃材や段ボールを置かない
  • 水漏れ・雨漏りを見つけたらすぐ直す
  • 在来浴室はリフォームのタイミングでユニットバスへ
  • 保証が切れる5年目を目安に床下を点検する

どれも特別な工事ではありません。

「湿気をためない」「早く見つける」の2つを続けることが、一番の予防です。

シロアリ防蟻処理はいつ必要?体験から分かる保証切れの考え方

防蟻処理は、新築時の保証が切れる5年目がひとつの目安です。

以前は10年保証の薬剤もありましたが、シックハウス症候群の問題から、現在は5年保証が主流になっています。

このタイミングで、

  • 床下点検
  • 写真付きの調査報告書

を確認し、必要な場合のみ処置を行うのが賢い判断です。

最近の新築住宅は「ベタ基礎」が一般的で、床下に土が見えない構造になっています。

コンクリート打設時に防湿シートを施工するため、定期確認だけでも被害リスクは抑えられます。(ただし油断は禁物。前述のとおり、配管の貫通部などから入ることもあります)

保証期間に合わせた処理は、安心材料としても有効です。

防蟻処理の費用相場は1㎡あたり約2,200円・坪単価約7,000〜10,000円が目安です。

30坪の住宅なら約21〜30万円程度が一般的です。業者によって価格差があるため、必ず複数社から相見積もりを取りましょう。

*シロアリの種類や被害状況で金額は大幅に上がるので注意してください。

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湿気が危険|シロアリを呼び込む住まい環境と換気の重要性

床下に湿気がこもる環境は、シロアリにとって最も居心地の良い状態です。

特に古い住宅では、次のような状態に注意が必要です。

  • 雨漏り・水漏れの放置
  • 床下が非断熱で結露しやすい
  • 床下がカビ臭い

これらは非常に危険なサインです。

▶関連記事:【プロ解説】床がきしむ・たわむ・抜けそう|原因と対処方法

実際に、万年床の畳をめくったら畳がボロボロになっていた、換気対策をしていない納戸で、古い段ボールを動かしたら被害が見つかった、といったケースもよく経験しました。

本来は、床下の木材含水率は15%以下が理想です。

数値が高い場合は、

  • 雨漏り・水漏れの是正
  • 防湿シートやコンクリート打設
  • 換気システムの導入

など、原因に応じた対策が必要です。

対策内容の説明に納得できる業者と相談しながら進めましょう。

▶関連記事:リフォーム見積もりの比較手順と流れ|取り方と注意点の完全ガイド

家の外回りが要注意!|シロアリを招く住宅環境とは

シロアリはどこにでも存在しますが、被害に遭うかどうかは住環境次第です。

特に注意したいのは、

  • 基礎換気口を花壇や物置で塞いでいる
  • 基礎より高い位置まで土を盛っている
  • 家の周囲に枯れ木・廃材・段ボールを放置している
  • 空き家や林が近い立地

これらは、シロアリが寄り付きやすい環境と言えます。

基礎の周りには物を置かず、日陰になりやすい場所は定期的にチェックすることが大切です。

基礎の上まで土を盛るのは、絶対に避けましょう。

外壁の一部を花壇に取り込んでいたお宅では、花壇面の外壁周辺がシロアリ被害でボロボロになっていました。

シロアリに食べられた後の補修費用|駆除費とは別にかかるお金

シロアリの駆除や防蟻処理の費用はよく紹介されていますが、食べられてしまった土台や柱を直す「補修費用」は、駆除費とは別にかかります。

補修はシロアリ業者ではなく、リフォーム会社や工務店の仕事です。

私がリフォームの現場で経験してきた目安は次のとおりです。

補修内容工事のやり方費用の目安
土台の差し替え傷んだ土台を切り取り、新しい木材に入れ替える1mあたり15,000円〜
柱の補修柱を差し替える、または横に新しい柱を添えて(添え柱)金物で固定する1本あたり3万〜5万円(難易度による)
外壁面の土台・柱・梁の差し替え外壁を支えている構造のため、外壁の解体・復旧を伴う最も高額(被害範囲による)

*注意:上記の費用には、「床や壁の解体・復旧」や「防蟻処理」が含まれていません。浴室や部屋の解体で被害が見つかった場合の追加費用の相場になります。

一番費用がかかるのは「外壁を支えている構造」の差し替え

補修費用が最も高くなるのは、外壁に面した土台・柱・梁に被害がある場合です。

これらは外壁を支えている構造なので、差し替えるには外壁をはがす必要があり、補修範囲が一気に広がります。

原因として多いのが雨漏りです。

雨漏りで濡れた木が腐り、そこにシロアリが入って、気づいたときには2階の柱や梁まで被害が及んでいた、というケースもあります。

外壁塗装や外壁の張り替えを同時に計画していれば対応しやすくなりますが、部分的な工事だけで直すのは難しいことも多いです。

私は大規模リフォームを中心に施工してきたため、こうした補修も外装工事とあわせて計画でき、比較的スムーズに進められました。

外壁の補修は数百万単位で掛かることもあります。被害範囲によっては、さらに一桁上がる恐れもあります。

塗装業者や水回りリフォーム業者では正直対応できない範囲になってきます。

▶関連記事:外壁塗装は必要?色選び・費用・補助金まで一戸建てオーナーが知るべきことをプロが解説

イエシロアリで補修を諦め、建替えをすすめたこともある

イエシロアリの場合は、被害が2階まで及んでいることが多いです。

状況によっては補修で直しきれず、補修を諦めざるを得ないこともあります。実際に私も、お客様に素直に建替えをおすすめした経験があります。

場所は地域でも有名なシロアリ生息地域でした。

築50年前後の建物で床下を調査した際、シロアリを発見。

定期的に雨漏りしていて、騙し騙し補修していたのですが、2階の小屋裏まで被害が広がっていました。リフォームの計画範囲が膨大になり、建替えとの差額は数百万円ほどでした。若い世帯がローンを組むことも考え、費用対効果から建替えをおすすめしました。

▶関連記事:【築35年】木造住宅リフォームか建て替えか迷ったら|現場で見た後悔しない判断基準を解説

よくある質問(FAQ)

Q
鉄骨やRC住宅でもシロアリ対策は必要?
A

多くの住宅で下地に木材が使われているため、対策や点検は必要です。構造材に被害がなくても、床や壁を支える部分が劣化することがあります。コンクリートに穴を開けた事例もあります。
引用:日本しろあり対策協会

Q
業者に勧められたら必ずやるべき?
A

まずは点検内容と写真を確認しましょう。被害がある場合は必ず原因があります。原因の特定と対策が重要です。

Q
シロアリがいる家にはどんな特徴がありますか?
A

代表的な特徴として、
①床下の湿気が多い(カビ臭・木材の含水率15%超)
②雨漏り・水漏れの放置がある
③基礎換気口が花壇や物置で塞がれている
④家の周囲に枯れ木や段ボールを放置している
⑤基礎の上まで土が盛られている

があります。自分でできるチェックとして、基礎周りに「蟻道(土のトンネル)」がないか確認するのが有効です。

Q
防蟻処理は自分でできますか?業者に頼むべきですか?
A

市販の薬剤で部分的な処理は可能ですが、床下全体への施工や被害が進んでいる場合は専門業者への依頼をおすすめします。

費用相場は30坪で約21〜30万円程度。複数社から相見積もりを取り、調査報告書の内容(写真付きかどうか)を比較するのが失敗しないコツです。

Q
シロアリが来ない家はありますか?
A

絶対に来ない家はありません。シロアリは日本中の土の中にいるためです。

ただし、床下に湿気がこもらない家、水回りの水漏れがない家、定期的に点検している家は被害になりにくいです。

Q
シロアリに食べられた土台や柱の補修費用はいくらですか?
A

土台の差し替えで1mあたり15,000円〜、柱の補修で1本あたり3万〜5万円が目安です。

外壁に面した構造に被害がある場合は、外壁の解体・復旧を伴うため費用が大きく上がります。

まとめ|シロアリ対策は「知って動けば」怖くない

シロアリ対策は、必要以上に不安になるものではありません。

しかし、環境を理解せず放置することが一番のリスクです。

  • 保証切れのタイミングで点検
  • 床下・外回りの環境を整える
  • 「まだ大丈夫」と思い込まない

シロアリの活動が活発になるのは6〜7月。その前に、家の健康診断を受ける感覚で点検してみてください。

まずは家の基礎周りを確認して蟻道(土の道)がないかチェック。日陰や室外機・物置裏は要注意です!

布基礎(床下が土)の家は、防蟻処理を長い間していなければ、一度業者に床下調査してもらうことがおすすめ!

何もなければ安心。

問題があれば早期対応で被害を最小限に。それが、後悔しないシロアリ対策です。

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