「冬になると家の中がとにかく寒い…」
「外より室内の方が冷えている気がする」
「北側の結露がひどい!断熱が弱いのかな?」
そんな住まいの“寒さ問題”に悩んでいませんか?
実は日本の住宅は、先進諸外国と比べると断熱性能が低いと言われています。欧州では基準違反となるレベルの断熱性能で建てられている住宅も少なくありません。
その背景には、日本特有の風土や住宅産業における断熱への意識の低さなど、さまざまな要因があります。
私はこれまで、大規模改修を中心としたリフォーム工事の中で、多くの古い住宅を再生してきました。その経験から、既存住宅が抱える断熱不足の問題を数多く見てきました。
断熱が不足すると、室内の寒さだけでなく、結露やカビ、さらには健康への影響など、さまざまな問題が起こります。近年では、こうした状況を改善するために、国も住宅の断熱性能向上に本格的に取り組み始めています。
この記事では、日本の住宅で断熱が不足している理由や、それによって起きる問題、そして改善するための対策について分かりやすく解説します。
今後のリフォーム計画を考えるうえでの参考にしてください。
■この記事でわかること
・日本の室内が「外気温以上に寒くなる」本当の理由
・断熱や気密が不足すると起きる健康リスク
・結露しない家づくりのために必要な改善ポイント
いくら設備や見た目をきれいにしても、建物の性能向上を後回しにすると、将来必ず後悔します。
寒い部屋でコタツに頼った生活を続けていると、体への負担も大きくなってしまいます。

strato
大手ハウスメーカー リフォーム部
元エリアマネージャー
エリア実績 全国No1獲得
現在は独立してブログで住まいの情報発信中
建築業界25年の知識を発信します。
日本の住宅が寒い本当の理由
断熱性能の基準がそもそも低かった
日本の省エネ基準は地域区分があり、西日本は「そこまで寒くない」という前提で断熱レベルが低く設定されていました。
全国の省エネ基準がそもそも低いかったことも原因です。
昔の家は断熱材が薄く、窓の性能も低いまま建てられています。

解体すると断熱が入っていない!?お宅もあります
気密施工の意識が低い家が多い
西日本では、「隙間風は当たり前」という家づくりが長く続きました。
気密性が低い家は暖房してもすぐに冷め、特に早朝は10℃以下になることも。
冬場は外の風で建具がガタガタ音を立てることも、気密の低さが分かる現象です。
特に木造住宅では気密と高めると、木が腐ってしまう恐れがあり。
日本の風土的理由から敬遠されてきました。
“こたつ文化”が性能向上の足を引っ張った?
日本ではこたつ・ストーブで局所的に暖を取る習慣があり、
「家全体を暖める」という概念が広く浸透しませんでした。
極力部屋を狭く締め切り、局部的に暖房して光熱費を抑えたり。
コタツににくるまるって寒さ耐えることが一般的かと思います。
しかしこれは、家の性能を向上させる必要性を感じにくい原因にもなってしまいました。

この状態は実は体に良くないんです
室温と健康の深い関係 国も認める問題点!
室温12℃以下は血圧が急上昇
室温が低いと、体が血圧を上げて体温を維持しようとします。
特に高齢者はこの変化が大きく、心臓への負担も増えます。
国土交通省補助事業 スマートフェルネス住宅推進調査委員会
「住宅の温熱環境と健康の関連」でも数値として現れています。

出典:国土交通省
ヒートショックのリスク
脱衣所・浴室との温度差が大きいと、血圧が急激に上下して倒れる危険性があります。
日本で年間を通して、冬に亡くなる方は急増します。
その原因の一つがヒートショックと言われています。
関連記事:ユニットバスや寒い!?

出典:消費者庁
WHOの基準「冬は18℃以上」を満たせない日本
世界保健機関(WHO)は、冬の室温を18℃以上と推奨しています。
しかし、日本の住宅の多くは寝室・脱衣所が10℃前後。
これは世界基準で見ると“極めて寒い家”に分類されます。

実家で凍えながらお風呂に入っていませんか?
冬の北海道の家は暖かい?
高断熱・高気密が当たり前
北海道では寒冷地のため、家の性能を高めることが必須でした。
その結果、「冬でも家の中が春のように暖かい」住宅が普及しています。
室温20〜25℃でTシャツ生活も可能!?
北海道の住宅は、外が氷点下でも室内は20℃〜25℃。
Tシャツで生活する人も少なくありません。
前職で勤めていた会社でも、北海道の施工基準を各エリアに普及させていました。
どこのハウスメーカーもこの動きが活発になっています。
暖房費も意外と安い
性能が高いため、一度暖まると冷めにくいため、光熱費がむしろ安いこともあります。
適切な施工ができる会社が建てる家はほんとに暖かくなります。
日本は断熱は遅れている?世界の住宅の常識
欧州では家の性能は“健康基準”
ヨーロッパでは「断熱・気密」は健康を守るための最低条件。
家の性能が低いと法律的に問題になるほど、意識が高いです。
部分暖房は日本だけの文化
こたつ・電気ストーブ・ファンヒーターなど、
“体の一部だけを温める”暖房は日本特有の文化。
世界的には「家全体を暖める」のが基本です。
室温20℃が世界のスタンダード
欧州では、冬のリビングも寝室も20℃前後に保つのが常識。
日本のように部屋ごとに温度差がある家は珍しいのです。
下記のグラフは数値が小さいほど断熱性能が高く
人工密度の高い5.6地域(東京や大阪など)に大きく差があるのが分かります。

2025~2030年で省エネ基準が大きく変わる
2025年に省エネ基準が義務化
全ての新築住宅は、一定の断熱性能が求められます。
これにより低性能の家は建てられなくなります。
そのうち中古住宅の流通にも、省エネ基準が明記される日が来るかもしれません。
2030年にはさらに強化される方針
国は、より高い断熱基準に引き上げる方針を示しています。
近い未来、北海道レベルの住宅性能が全国で求められる可能性があります。

これから新築する人は、新しい基準に適合しているかの確認を!
今の基準ではまだ不十分です。
今後は断熱リフォームが主流へ
窓交換・外壁断熱・床断熱などのリフォームは補助金が手厚く、
今後ますます一般化していきます。
2000年以降の住宅は新しい耐震基準で建っています。
築25年経っていますがまだまだ住めるますが、断熱性能に問題があります。
10年後には築35年!
将来の健康投資も兼ねて断熱補強を検討する価値はあります。
関連記事:暖房を使わずに部屋を温める方法
結露する家・しない家の決定的な違い
結露する家の特徴
- 断熱材が不足
- 窓の断熱性能が低い
- 気密性と換気性が低い
- 部分暖房で室内温度差が大きい
結露しない家の特徴
- 樹脂窓や断熱性能の高いサッシが使われている
- 十分な断熱材と施工方法
- 適切な換気計画
- 家全体で温度差が少ない
窓の交換だけでも効果は大きい
断熱リフォームで最も費用対効果が高いのは窓の性能改善です。
「一番熱が逃げる場所」を改善すれば、室温は大きく変わります。
まとめ:今の既存住宅の現状を知って対策しよう!
日本の家は想像以上に寒いです!
外気温ではなく、家の性能が寒さを決めます。
健康と住宅性能は密接につながっています。
室温が低い家は、血圧・心臓・睡眠に悪影響を与えます。
これからの住まいづくりは「性能ファースト」
断熱・気密・窓性能を重視することで、
健康で快適、そして光熱費も抑えられる住まいになります。




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