「毎日片付けているのに、気づくとリビングやダイニングが散らかる」
「収納はあるのに、ここに置くしかない」
実はこの問題、あなたの片付け方や性格が原因ではありません。
私は建築業界で25年、営業・プラン設計・現場管理から大手ハウスメーカーのエリアマネージャーまで経験し、多くの住宅再生リフォームで物があふれた家を整えてきました。
この記事では、収納スペースが足りない本当の原因を建築・設計の視点から解説し、リフォームで収納を増やす具体的な方法を紹介します。
■この記事でわかること
- 収納があるのに部屋が散らかる3つの本当の原因
- 窓・奥行き・動線から考える収納計画の考え方
- リフォームで収納スペースを増やす3つの方法
- リフォームで収納が増えない家の共通点
収納がうまく機能しない理由が分かると、今の住まいでもこれからの家づくりでも、散らかりにくい収納を判断できるようになります。
結論、収納不足の原因は家の広さではなく、窓・奥行き・動線を考えずに「なんとなく」決めた設計にあります。
理由は、収納スペースは壁面量で決まり、掃き出し窓や基本モジュールで決まった90cmの奥行きが、使える壁面と収納を減らしているからです。

strato
大手ハウスメーカー リフォーム部
元エリアマネージャー
エリア実績 全国No1獲得
現在は独立してブログで住まいの情報発信中
建築業界25年の知識を発信します。
収納スペースが足りない根本原因|設計段階の「なんとなく」
多くの建売住宅や中古住宅は、この「なんとなく」と「基本モジュール」で決められた収納で溢れています。
これこそが、収納スペースが取れない根本原因です。
収納が増えない理由は「窓」にある|壁面積と収納の深い関係
収納不足=家が狭い、は誤解
問題は家の広さではありません。
問題は「設計の考え方」です。
特に、基本モジュールと本当に必要な奥行きの差が考慮されていません。
収納スペース=壁面積
広い空間や見渡せる掃き出し窓があると壁面は減っていきます。
これも収納の落とし穴になっています。

散らかる原因①|間取りプランを「部屋数や広さ優先」で考えている
1つ目の原因は、間取りを「何帖あるか」「何部屋あるか」で考えてしまうことです。
数字だけ見ると広くて便利そうでも、実際に住むと収納が足りない…という家は少なくありません。
平面図の帖数にだまされる!広さと使い勝手は別物
「〇〇帖LDK」という表現は響きが良く、分かりやすい。
中古住宅の表記やプラン打ち合わせでも頻繁に使われます。
しかしこの数字にだまされると、LDKで必ず使う物のための壁面スペースが確保されません。
結果、「とりあえず机に置く」状態になりがちです。
リビングテーブルやダイニングテーブルは万能な置き場ですが、同時に散らかる最大の原因にもなります。
最終的に物が届く場所をあらかじめ計画できれば、帖数以上の快適さが生まれます。
▶関連記事:【プロ解説】家事ラク動線とメンテナンスが楽な家|リフォームのコツ
間取りプランで個室数を優先しすぎる弊害
部屋数は多いのに、収納がない家。
これは非常によくある間取りの失敗です。
子ども部屋や書斎、サニタリールームなど、空間はあるけれど気がつけばただの物置に…こんな失敗は避けましょう。
散らかる原因②|収納計画を「余ったスペース」で考える
収納は最初から計画すべき空間です。
あとから収納家具を増やしていくと、物であふれる原因にもなります。
後付け収納が失敗しやすい理由|上下空間を最大限に活用できない
各部屋や生活動線ごとに、
を考える必要があります。
例えば玄関。
出入りの起点となる場所です。
これらを必要な奥行き・取り出し方で計画できれば、室内が散らかりにくくなります。
半外空間との連動性なども非常に重要になってきます。
一般的な壁の高さは約240cm。
この上下方向を最大限使えるかどうかが重要です。
後付けで床置き収納を増やしても、上部空間が使われていなければ、逆に使えるスペースは減ってしまいます。
▶関連記事:【必見】間取りの不満をリフォームで解消する5ステップ|失敗しない計画

散らかる原因③|各部屋の収納量を感覚で決めている
3つ目の原因は、収納の量を「なんとなく」で決めてしまうことです。
多ければ安心というわけではなく、量の決め方を間違えると、物が増えたり床面積を無駄にしたりする原因になります。
収納計画を「なんとなくこれくらい」で決める危険性|箱があれば人は埋めてしまう
家族構成やライフスタイルを考慮せず、感覚だけで収納量を決めてしまうケースは非常に多いです。
せっかく収納スペースを作っても機能しないと意味がありません。
ただ収納空間があるだけでは
とりあえずそこに収納しよう!と物を溜めていき…
二度とお目にかからない物たちで溢れる。
屋根裏収納が良い例になります。
間取り計画|大切な床面積を無駄遣いしてしまう
「1部屋につき1帖の収納」こうした考え方で設計された家は少なくありません。
しかし実際に、子どもが自室の収納を本格的に使うのは中学生以降。
高校・大学で寮生活になれば、その収納が活躍する期間はわずか数年ということも。
ライフスタイルと収納容量のミスマッチは、非常に起こりやすい失敗です。
散らからない家は「物の量 × 動線」で決まる
多くの住宅再生リフォームに関わってきて感じるのは、散らからない家は収納の「量」だけでなく「場所」がうまく考えられているということです。
カギになるのは、収納と動線のつながりです。
子どもや家族が、必ず自分の部屋まで物を運んでくれるでしょうか?
答えが「NO」の家庭は多いはずです。
- ランドセルはリビング
- リュックや着替えも置きっぱなし
これは性格の問題ではありません。
生活動線・家事動線上に物を置ける壁面と奥行きがないからです。
そこを計画すると、人は自然と「そこに置く」ようになります。
これは行動経済学的な考え方でもあります。
リフォームで収納スペースを確保するための方法
では、今の家で収納スペースを増やすにはどうすればいいのでしょうか?
リフォームでできる具体的な方法を3つ紹介します。
解決策① 人が動くために必要な奥行きを理解する
廊下幅は一般的に75〜80cm。
つまり15〜20cmは物を置ける可能性があります。
※来客が多い通路やメイン動線は避けましょう。
階段幅も法律で75cm確保する決まりがあるので注意しましょう。
さらに、壁の中のスペースを活用すれば30cm近い奥行きを確保できるケースもあります。
窓枠の奥行きと同じだけの幅は各壁にあります。
廊下は壁面量が多く、収納として非常に有効なポイントです。
下から上まで収納にすれば高さ240cmも取れます。
洗面台や洗濯機の反対側の壁にも人が立つ・通る以外に20〜30cmのスペースはできるはずです。

解決策② リフォームで無駄な奥行き収納を反対の部屋に分配する
一般的な住宅は91または90cmモジュールで設計されています。
その結果、生まれるのが奥行き90cmの収納。
しかし現代の生活で、布団を収納する和室以外90cmの奥行きが必要な物はほとんどありません。
余った30cmを反対側の部屋に渡せば、
として活用できます。
クローゼットの扉を外し、45cmずつ分配することで収納幅を倍にすることも可能です。
解決策③ リフォーム工事で窓を腰窓・高窓に変更する
収納スペース=壁面量と言っても過言ではありません。
なんとなく掃き出し窓を設けていませんか?
その窓を腰窓に変えるだけで、新たな壁が生まれます。
さらに高窓にすれば、身長ほどの壁面を確保できます。
リビングやキッチンにこの壁があれば、収納の可能性は一気に広がります。
▶関連記事:【雨戸・シャッター】閉めっぱなしのデメリット|カビ・故障の原因と対策
リフォーム工事で収納が増えない家の共通点
- 収納奥行きへの理解不足
- 構造・耐力壁の影響
奥行きや動線まで考えた設計ができる会社は多くありません。
構造に関わるリフォームではなおさらです。
失敗を防ぐためにも、相見積もりを取り、提案内容の差を確認しましょう。
▶関連記事:【完全ガイド】リフォーム見積もりの比較手順|会社の選び方と注意点
よくある質問
- Q部屋が散らかる本当の原因は何ですか?
- A
多くの場合、片付けの習慣や性格ではなく、「収納設計の問題」が原因です。
収納の位置・奥行き・壁面量が生活動線と合っていないと、物が自然と目に見える場所に集まります。
特に掃き出し窓が多い家や、90cm奥行きの使いにくい収納しかない家は、どれだけ片付けても散らかりやすい構造になっています。
- Q収納リフォームにかかる費用の目安は?
- A
範囲や工事内容によって大きく変わりますが、クローゼットの奥行き変更・窓の腰窓化・廊下収納の新設などの部分リフォームであれば、1箇所あたり10〜30万円程度が目安です(筆者の現場での金額感覚)。
複数箇所をまとめて依頼すると割安になります。複数社から相見積もりを取り、提案内容を比較することが重要です。
- Q狭い家でも収納を増やすことはできますか?
- A
はい、可能です。家の広さより「壁面量」と「奥行きの使い方」が重要です。
例えば、
①廊下の壁を床から天井まで収納にする。
②90cm奥行きのクローゼットを45cmずつ前後に分割して2部屋で活用する。
③使っていない掃き出し窓を腰窓・高窓に変えて壁面を確保する。といった方法で、既存の面積を変えずに収納量を大幅に増やせます。
- Q壁付け収納とウォークインクローゼット(WIC)はどちらが効率的ですか?
- A
一般的に壁付け収納の方が面積効率は高いです。
WICは「中に入って選ぶ」便利さがありますが、人が通るための1〜1.5帖のスペースが収納に使えません。一方、壁付けの奥行き45〜60cmの収納なら、通路面積ゼロで同等の収納量を確保できます。ライフスタイルや家族構成に合わせて選ぶことが大切です。
まとめ|部屋が散らかる家の対策はリフォームで改善できる
収納不足は「広さ」ではなく設計ミスです。
早い段階で気づけば、防ぐことができます。
家づくり・リフォーム前に、ぜひこの記事を参考にしてください。
壁面を有効活用し、無駄な奥行き収納を見直すだけでも、暮らしは大きく変わります。



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