いざリフォームをするとなると、
「どう問い合わせすればいいの?」
「相見積もりって取るべき?」
よくわからない…という方も多いのではないでしょうか?
今回は、某大手リフォームメーカーで全国1位の実績を持つ元エリアマネージャーが、
見積もり比較のポイントをわかりやすく解説していきます。
少しでも皆さんの家づくり・住まいづくりの参考になればと思い、
今後も情報を発信していきます。
今回はその中でも、「見積もり比較」についてお話しします。
相見積もりは取るべき?
リフォームを考えたとき、「まずは相見積もりを取らなきゃ」と思う方は多いと思います。
実際、私自身も取ったほうが良いと思います。
ただ、正直に言うと、業者目線からするとあまり喜ばしいことではありません。
なぜなら、「お客様が正しい判断ができるか心配だから」です。
一般の方が見積もり明細を理解するのは、実際にはかなり困難で、ほぼ不可能に近いとも言えます。
お医者さんの診療内容を素人が精査するのと似ていて、
- 必要か?不要か?
- 施術予定箇所はどういう性質?
- その判断の医学的根拠は?
…といったことを、正確に判断するのは難しいですよね。私にもわかりません。
建築用語や内容もよく似ています。
その結果、聞き覚えのある単語や、ネットで得た表面的な知識でなんとなく理解します。そして素敵な営業トークで誤った解釈に誘導されてしまうことが多くあります。
それでもなぜ相見積もりを取るべきか?
理由はシンプルです。
「他社がいる」ことによる緊張感が、誠実な対応を引き出すからです。
たとえ依頼する業者が決まっていたとしても、
「他にも見積もりを取っています」と伝えるだけで、担当者の対応に変化が出ることもあります。
「もう御社に決めています」と誠実に伝えてくれるお客様もいらっしゃいますが、
営業担当者もさまざまです。中には、信頼できる営業もいれば、“あぐらをかく”営業もいます。
相見積もりを取ったからといって雑な対応をする会社・担当者は、
そもそも依頼すべきではありません。相見積もりは、あくまで誠実な対応を引き出すための手段として、有効だと思います。
見積もり比較のポイントは?
相見積もりの際に気をつけたいのは、
「工事内容に応じて比較対象を選ぶこと」です。
私の経験では、工事内容にかかわらず
「大規模・中規模・小規模の会社で比べる」方が多い印象です。
これはとても危険な比較の仕方です。
先ほどお伝えしたように、見積もり内容を正確に比較するのは難しく、
各社の言うことがバラバラになり、「誰を信じていいかわからない」状態になることが多いです。
餅は餅屋!会社にも得意・不得意がある
建築の分野は本当に幅広く、会社によって得意・不得意があります。
スーパーゼネコンに一般住宅のリフォームを頼んでも、 コストに見合った結果になるとは限りません。
一般住宅会社が、ゼネコンのようなビルを建てるのは無理があります。
リフォームも同じです。
外壁、水回り、構造補強、断熱、補助金活用、外構などなど…内容は本当に多岐にわたります。
だからこそ、今回のリフォーム内容に合った実績を持つ会社同士で比較することが重要です。
会社選びのコツは3つ
- 工事規模や実績で分類する
- 工事内容と保証内容のバランスを確認する
- 最新の施工事例をチェックする
工事規模・内容って?どういうこと?
例えば…
- 襖の張替え
→ 大きなリフォーム会社に頼むよりも、近所の建具屋さんや畳屋さんに依頼した方が断然安くなります。DIYでも対応できるケースです。 - 築浅の外壁塗装
→ 難易度は比較的低め。塗装だけで対応できることが多いため、小規模会社・塗装業者同士での比較が適しています。 - キッチンの入替・食洗機の交換
→ こちらも難易度は低め。水回り専門業者との比較が適しています。 - 築年数がある建物の構造補強や屋根の葺き替え
→ 難易度が高いため、元請け責任で保証が可能な会社、実績のある会社を選ぶべきです。
※ ただし、以下のような工事は注意が必要です
建築工事(例:下地の施工、水漏れ補修、排水不備の是正 など)
これらが絡む場合は、中規模〜大規模業者に依頼したほうが安心です。
実際、問題箇所をそのまま“蓋をされてしまっていた”という事例も、私自身も何度か建物調査で出くわしています。
大規模な工事を任せるなら、
日頃から数百万円規模の工事を受けている会社でなければ、対応が難しいこともあります。また、万が一の際に会社としてしっかりと対応できる体制・規模があるかどうかも、
大切な判断ポイントです。
最新実例の確認も大事!
施工事例は、会社のホームページやブログに掲載されていることが多いです。
日々更新されている施工事例の内容こそが、
その会社の得意分野=主戦場だと考えてください。
どの会社も、見積もりの依頼がくれば本気で取りに来ます。
調査見積もりは大変な作業です。
営業マンたるもの、ニーズを聞き出して、キラキラした未来を提案するものです。
だからこそ、見積もり依頼する段階で「工事規模」と「内容」を自分である程度把握し、依頼する会社選びを進めることが大切です。
まとめ
相見積もりは取るべき?
会社の緊張感ある対応引き出す為に、取るべきです。
ただし、金額や項目だけを比較して判断するのはとても難しいです。
- 工事の規模
- 保証の内容
- 実績の確認
これらをしっかり見極めて、
「誠意ある対応をしてくれる会社」と計画を進めましょう。
同じような規模感の会社に依頼すれば、見積もり金額にも大きな差は出にくいものです。
基本は材料費と人件費で決まります。必要な工事を行えば本来そんなに差が出ないはずです。
どの会社も、事業の継続・発展のために必要な粗利を加えているだけです。
建築は「やっただけ良くなる」業界です。
逆に、「手を抜いたらその分だけ悪くなる」。とてもシンプルです。
価格だけで比較するのではなく、
“納得のいく説明”と“誠実な対応”をしてくれる会社かどうか。
規模感が合っていれば、最後はそこで見極めるしかありません。
難しいとは思いますが、参考にしてください。
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