〜水回り位置変更・拡張の判断ポイント〜
「孫が遊びに来た時、お風呂が狭くて大変…」
そんなふうに感じたことはありませんか?
普段は問題なく使えていても、
・孫と一緒に入ると身動きが取れない
・介助が必要で洗いにくい
・滑らないか、ぶつからないか心配
こうした悩みは、“お風呂が狭い”ことが原因で起きているケースがとても多いです。
そこで気になるのが、
「浴室って広くできるの?」「水回りの位置って変えられるの?」
という疑問ではないでしょうか。
水回りの位置変更や拡張は、多くの場合で「可能」です。ただし、給排水の条件、基礎や構造の制約と補強の有無によっては、工事の可否や費用が大きく変わります。
■この記事でわかること
・水回りの位置変更や拡張ができるケースとできないケース
・事前に確認すべき3つのチェックポイント
・“よくあるリフォームセット”との違いと注意点
この記事では、水回りリフォームにおける位置変更や拡張が実際に可能なのか、どのような制約があるのか、プロの視点からわかりやすく解説します。

strato
大手ハウスメーカー リフォーム部
元エリアマネージャー
エリア実績 全国No1獲得
現在は独立してブログで住まいの情報発信中
建築業界25年の知識を発信します。
孫と一緒に入れるお風呂にするための3つのチェックポイント
大切なのは下記の3点
- 給排水の確保
- 基礎の制約と補強
- 構造の制限と補強
このポイントをしっかり対応しないと
リフォームして逆にお家に悪影響が及ぶことがあります。

施工実績のある業者に依頼することが大切です。
ポイント① 給排水の変更可否
お風呂を機能させるためには、
**水・お湯・排水(+電気)**が必ず必要です。
水やお湯は、床下や壁の中で分岐させることができるため、
多くの場合、浴室の位置を変えたり広げたりすること自体は可能です。
ただし、問題になりやすいのが排水です。
排水管には「勾配(傾き)」が必要で、これが確保できないと水が流れません。
孫と一緒に入るお風呂は、洗い場も広くなり、使用水量も増えます。
そのため、外部の排水マスまで無理なく勾配を取れるかが非常に重要です。
勾配が取れない場合でも、
・外部に新しく排水マスを設置する
・浴室の位置自体を見直す
といった方法で解決できるケースもあります。
「狭いお風呂を無理に広げる」よりも、
位置を変えた方が結果的に費用も抑えられ、使いやすくなることは少なくありません。
ポイント② お風呂を広げるときに必ず確認したい基礎の制約
一戸建て住宅では、水回りの下や周囲に基礎が配置されていることがほとんどです。
これは、浴室が重く、水を多く使うため、建物を支える重要な役割を担っているからです。
「孫と一緒に入れるように、洗い場をもう少し広げたい」
そう考えた時、浴室の外側には基礎の立ち上がりが存在している可能性があります。
この基礎を壊して広げることは可能ですが、
その場合は必ず構造補強が必要になります。
補強をきちんと行えば問題ありませんが、
費用がかさむケースも多く、
- 同じ位置で無理に拡張する
- 思い切って浴室の位置を変更する
この2つを比較すると、位置変更の方が合理的という判断になることも珍しくありません。
また、築年数の古い住宅では、
在来浴室(タイル張り)や、床下が土で嵩上げされているケースもあり、
解体後に腐食やシロアリ被害が見つかることもあります。
「孫のため」と思って始めた工事で、後から想定外の出費が出ないよう、
基礎周りは必ず事前調査が必要です。
ポイント③ 孫の安全を守れる?構造と補強の考え方
お風呂のリフォームで、もう一つ忘れてはいけないのが構造です。
浴室や洗面所の周囲には、
建物を支えるための構造上重要な壁が集まっていることが多くあります。
例えば、
- 開き戸を引き戸に変えたい
- 洗い場を広げるために壁を動かしたい
といった要望でも、
その壁が構造壁かどうかで、施工の可否や補強方法は大きく変わります。
木造住宅であれば、別の場所に補強壁を設けることで対応できる場合もありますが、
軽量鉄骨造や規格住宅では、そもそも触れない壁も存在します。
特に孫と一緒に入るお風呂では、
- 滑りやすさ
- 立ち上がり時の安定性
- 出入口の安全性
など、構造と直結する安全面が重要です。
「壊せるから壊す」ではなく、
**「壊しても安全が保てるか」**という視点で判断できる業者かどうかが、
リフォームの満足度を大きく左右します。
3つのポイントを押さえると見えてくること
孫と一緒に入れるお風呂づくりで大切なのは、
- 給排水が無理なく確保できるか
- 基礎を壊しても安全に補強できるか
- 構造的に“やってはいけない工事”ではないか
この3点をセットで考えることです。
見た目だけを整えるリフォームでは、
「やっぱり狭い」「不安が残る」という結果になりがちです。
プロの視点でしっかり確認すれば、
今より安全で、孫と楽しく入れるお風呂は十分に実現できます。
よく見る「セットリフォーム」と孫のためのお風呂リフォームの違い
家電量販店やチラシ、ネット広告でよく見かける
「水回り3点セット」「4点セットリフォーム」。
一見すると価格も分かりやすく、
「お風呂も新しくなるなら、これでいいかな?」
と思う方も多いのではないでしょうか。
ただし、孫と一緒に入れるお風呂にしたいという目的がある場合、
セットリフォームには注意が必要です。
セットリフォームの多くは「商品交換」が中心
一般的なセットリフォームは、
- ユニットバス
- 洗面台
- トイレ
- キッチン
といった設備機器の交換がメインです。
そのため、
- 給排水の位置はほぼそのまま
- 基礎や構造には手を加えない
- 壁や床は「壊さない前提」
というケースがほとんどです。
築年数が浅く、
「特に不便はないけれど、古くなったから新しくしたい」
という方には向いています。
「孫と入るとお風呂が狭い」問題は解決しにくい
一方で、
- 孫と一緒に入ると身動きが取れない
- 洗い場が狭く、介助がしづらい
- 出入口が危なく感じる
といった悩みは、設備を新しくするだけでは解決しません。
必要になるのは、
- 浴室スペースそのものの拡張
- 水回りの位置変更
- 構造補強を含めた建築工事
つまり、
「物を買うリフォーム」ではなく「建物を考えるリフォーム」です。
安さの裏にある「やらない工事」
セットリフォームが安く見える理由は、
やらない工事が最初から決まっているからです。
- 基礎を壊さない
- 構造壁を触らない
- 腐食や劣化があっても基本は対象外
もし解体後に問題が見つかっても、
「それは別途工事です」となるケースが多く、
結果的に想定より高くつくこともあります。
特に、在来浴室(タイル張り)や築年数の古い住宅では、
建築工事の知識と経験がない業者では対応が難しいことも少なくありません。
「孫のため」のリフォームは、業者選びがすべて
孫と一緒に安心して入れるお風呂にしたいなら、
- なぜこの位置が良いのか
- なぜこの広さが必要なのか
- どんな補強をするのか
これらを根拠をもって説明できる業者を選ぶことが大切です。
価格の安さだけで決めてしまうと、
「結局、狭いままだった」
「安全面が不安で使いづらい」
という後悔につながりかねません。
まとめ|孫と安心して入れるお風呂は、今の暮らしを変えてくれる
孫と過ごす時間は、思っているよりあっという間です。
「もう少し大きくなったら…」
「今は我慢できるから…」
そう思っているうちに、
一緒にお風呂へ入る機会は、少しずつ減っていきます。
お風呂が狭いことで感じるストレスや不安は、
住まいを整えることで解消できる悩みです。
今回お伝えした大切なポイントは、次の3つ。
- 給排水が無理なく確保できるか
- 基礎を壊しても安全に補強できるか
- 構造的に「やってはいけない工事」ではないか
この3つをきちんと押さえれば、
今より安全で、孫と笑顔で入れるお風呂は十分に実現できます。
「うちの家でもできるのかな?」と思ったら
家の構造や築年数によって、
できる方法・できない方法・向いている選択肢は大きく変わります。
だからこそ、
カタログやセット価格だけで判断せず、
一度、プロの目で見てもらうことが大切です。




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