「ハウスメーカーや工務店を通さず、直接職人や業者に頼んだ方が安くなるんじゃない?」
「知り合いの大工さんに頼めば安心じゃないの?」
家づくりやリフォームで、中間マージンをカットしてコストを抑えたいと考える方は多いはずです。
確かに、家づくりは人生で最も大きな買い物のひとつ。
できるだけ無駄な費用を抑えて、安心・高品質な住まいを手に入れたいという気持ちはよくわかります。
実際、「知り合いの業者に頼んだら安く済んだ」という話も耳にするかもしれません。
でも、本当にそれが一番お得な選択肢なのでしょうか?
この記事では、ハウスメーカーや工務店を通さずに直接業者に依頼する際のメリットとデメリットを整理しながら、
「実は見落としがちな落とし穴」についてわかりやすく解説します。
■この記事でわかること
・直接依頼が一見お得に見える理由とその裏側
・建築における「連携と管理」の重要性
・後悔しない依頼先の選び方とは?
直接依頼=お得とは限りません。
専門的な設計・管理が機能しないと、結果的にコスト増・品質低下・工期遅延といったリスクにつながります。
信頼できるプロに任せることが、遠回りのようで一番の近道です。
建築は専門家の分業でできている
「直接業者に頼んだ方が安くなるのでは?」
「中間マージンが減る分、お得じゃない?」
と思ったこと、ありませんか?
その考え方、半分は正解、でも半分は誤解です。
実際には、問題が起きてかえって予算がかさむこともあります。
建築業界は、各専門分野の業者が連携して進めるプロジェクト体制です。
たとえば…
- お客様の要望を聞き出す営業
- デザイン性・機能性を踏まえた設計士
- 理想と現場のギャップを調整する現場監督
- 各種設備を機能させるための設備監督
- 図面を形にする多くの職人(基礎、大工、屋根、設備、電気、納材業者、メーカー施工…)
これらが適切に連携してはじめて、良い家が完成するのです。
単に「工事ができる」と「工事が機能する」は、まったく別物なんです。
意外と多い、ゼネコン監督からの依頼
私は以前、某大手リフォーム会社に勤務していましたが、ゼネコン監督など建築のプロから依頼を受けるケースが多くありました。
構造設計士やビルの設計士など、業種は違っても建築のプロは「専門外のことが機能しない」ことを知っているからです。
実際、社内規定や保証の関係で会社を通せない事情もありますが、プロがあえて自分でやらず「外部に依頼する」のは、連携・品質管理の重要性を理解しているからこそ。
逆に言えば、そのプロたちが依頼しないようなことを、一般の方が個人で依頼するのは“ちょっとした賭け”になりかねません。
日々の業務が、品質と価格に直結する。
建築の現場では「段取り8割」と言われます。
段取りよく進めることで、工期は短く、品質は高く、コストも抑えられるからです。
毎回同じような施工をこなしていると、経験値が上がり、効率もアップ。自然と高品質な仕上がりにつながります。
「餅は餅屋」と言いますが、これは職人だけでなく、設計・営業・管理すべてに言えることです。
日常的にその業務に従事している人こそ、最も高品質・低価格な結果を出せるのです。
慣れない作業や業務では、無駄が出て、費用対効果も下がってしまいます。
安さを追いすぎて、かえって高くつく“貧乏根性の銭失い”にならないよう注意が必要です。
高い・安いには、理由がある
結局のところ、専門のプロに任せることが、早く・高品質なものを手に入れる一番の近道です。
これ以上コストを下げたいなら、「専門業者の数を減らす」しかありません。
しかし、注文住宅のような案件では、意匠設計・設備設計・現場管理を一人が担うことも多く、それ以上は限界。
無理に専門外の職人に別の工事をやらせたりすると、失敗のリスクが跳ね上がります。
直接業者に依頼する場合、自分で設計・管理をするか、その業者が担うか、誰かに別途依頼するか…あるいはそもそも「省いてしまう」という選択肢になります。
しかし設計・管理が機能しなければ、工期の遅れや不具合が発生し、結局コスト増になる恐れも。
中には“何もしてないのに中抜きだけ”というような部分も確かに存在します。
しかし、建築のプロでも見えない領域に時間と労力を使うより、信頼できるパートナーと最良の工事を進める方がはるかに賢明です。
まとめ:直接依頼には落とし穴がある
直接施工業者に依頼することは、思わぬリスクを伴います。
後悔する前に、「今回の工事内容」と「依頼先の業務内容」にズレがないかをしっかり確認しましょう。
そして、専門のプロに任せることが、結局は一番安く、品質の高い施工につながる近道です。
見積もり比較については下記記事参考にして下さい
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