「リフォームを頼むならやっぱり大手の方が安心?」
「でも大手って高いって聞くし、見積もりを取るのが不安…」
「中小のリフォーム会社と比較したら、どっちがいいの?」
リフォームを検討している多くの方が、大手リフォーム会社は高いのかどうかで悩んでいます。
特に見積もりを取る前の段階では、ネットの口コミや周囲の話から「大手=高い」というイメージを持っている方も少なくありません。
確かに、大手リフォーム会社は広告やブランドのイメージもあり、
「見積もりが高いのでは?」と感じてしまうのも無理はありません。
実際に見積もりを比較したときに、
「やっぱり大手は高いのでは?」と感じた経験がある方も多いでしょう。
しかし、リフォーム業界の現場で多くの見積もり比較を見てきた立場から言うと、
大手だから必ず高いとは限らないというのが実際のところです。
私自身、長年大手ハウスメーカーで営業・管理職を経験する中で、
多くの相見積もり・業者比較・業界の本音を見てきました。
その経験をもとに、
大手リフォーム会社は本当に高いのか?という疑問について解説します。
大手と中小の価格の違いや、見積もりを比較したときにどこで差が出るのかなど、
リフォームを検討するうえで知っておきたいポイントを分かりやすくまとめました。
■この記事でわかること
・大手リフォーム会社は本当に高いのかという実際のところ
・見積もり比較で分かる価格差の理由
・大手と中小、どちらを選ぶべきかの判断ポイント
この記事を読むことで、
「大手は高い」という先入観だけで判断するのではなく、
見積もりを比較しながら自分に合ったリフォーム会社を選ぶ判断基準が分かるようになります。

strato
大手ハウスメーカー リフォーム部
元エリアマネージャー
エリア実績 全国No1獲得
現在は独立してブログで住まいの情報発信中
建築業界25年の知識を発信します。
大手は高いと言われる理由

長年、大手ハウスメーカーでリフォームに携わってきて、見積もり相談の際に必ずと言っていいほど言われてきたのが
「大手は高いからね!」
という言葉です。
確かに、総額として大手リフォームは高価格帯になるケースが多いのは事実です。
しかし、果たして何と比較して高いと言えるのでしょうか。
・希望金額
・予定していた予算
・他社の見積もり
比較対象によって「高い・安い」の印象は大きく変わります。
仕入れ値、粗利、工賃など価格の仕組みを理解している立場として言えるのは、少なくとも私が勤めていた会社では、特別に高いということはありませんでした。もちろん、安いとも言えませんが。
大切なのは、先入観で判断するのではなく「なぜその金額になるのか」を理解することです。
そのためには、大手と中小の仕組みの違いを知ることが重要になります。
■ ポジショントーク
まず初めに知っておいてほしいのが、各会社には立場上の意見(ポジショントーク)があるということです。
中小リフォーム会社の場合
中小企業の場合、大手よりも見積もりが高いと勝負になりません。
大手と比較されたとき、
保証やサービス面ではどうしても不利になることがあります。
そこに価格面でも差が出てしまうと、提案の余地がなくなってしまうため、
「大手は高いですよね!」
という、世間一般のイメージを前面に出した営業や見積もり提案になることがあります。
大手リフォーム会社の場合
一方で大手は、
- マニュアル
- 施工要領
- 法律遵守
- 安全管理
など、コンプライアンス要素による工事費用が増える傾向があります。
本来はどこの会社でも守らなければならない内容ですが、
リフォーム工事の場合は役所の検査がほとんどないため、実際には徹底されていないケースも多いのが現実です。
しかし大手である以上、行政や世間の目は厳しく、
良くも悪くも「お硬いルール」を守る必要があり、その分のコストが価格に反映されることがあります。
その代わり大手は、
- 営業・工事部員などの人材数
- インテリアコーディネーター
- 設計担当者
など、多くの専門スタッフを抱えたトータルサポート体制を整えています。
さらに大手は、圧倒的な購買力と交渉力を持っています。
そのため、材料や職人の工賃をかなり低い価格で仕入れているのも事実です。
■ 広告費・粗利・諸経費
広告費
よく言われるのが広告費です。
「CMや立派なカタログの費用が、みなさんの工事費に入っています」
と言われることがありますが、実際には1件あたり約3〜多くて4%程度です。
例えば
100万円の工事なら 3万〜4万円程度 になります。
大手の売上が1000億円なら、広告費は
30億〜40億円規模!?になることも。
中小企業では年商でも届かない金額なので、想像しにくい世界かもしれません。
私自身も数字として扱っていましたが、最初は実感が湧きませんでした。
粗利
粗利についてですが、確かに一般工務店や中小企業より粗利率は数%高くなる傾向があります。
ただし、リフォームの場合は新築ほど差は大きくないというのが私の印象です。
実際、私は中小企業から大手へ転職しましたが、
- 人件費
- 材料費
- 工事費
などの掛ける利益率は、大きく変わりませんでした。
むしろ大手は仕入れ価格が安いため、
同じ掛け率なら結果的に価格が下がります。
実際に、工事項目ごとの金額は大手の方が安くなるケースが多いです。
諸経費
諸経費には、
- 工事管理費
- 設計監理費
- 安全対策費
などが含まれます。
この部分は中小企業より5%ほど高いケースが多いです。
理由は、
- 営業やコーディネーターのサポート
- 打ち合わせ回数
- 工事の巡回回数
など、人員やシステムを使った管理体制が整っているためです。
そのため、同じ価格で同じ品質を提供するのは難しいです。
ただし、
「大手だから必ず高品質なのか」と言われると、正直少し疑問が残る部分もあります。
現場を見ていると
「もっと良くできるのに」と思うこともありました。
とはいえ大手企業は株主との関係もあり、利益(粗利)を重視する経営になりやすいのも事実です。
関連記事:大手を辞めて感じること
相見積もりの比較をしてきた事実

どうしても「大手は高い」という印象が先に出てしまうことが多かったため、
私はお客様にいつもお願いしていたことがありました。
それが、
「見積もりの比較をさせてください」
ということです。
実際に、多くの中小企業の見積もり、
もちろん同じ大手同士の見積もりも見せてもらいながら、
- 何が違うのか
- どこで価格差が出ているのか
を調べて、お客様にお伝えしてきました。
その結果、統計的に見ても
個別の工事項目・材料費・工賃については、大手の方が高いどころか安いケースが多かったのです。
工事内容が同じで、同じ材料を使って価格差を出すとすれば、
このどちらかしかありません。
薄利多売では、継続が不可能になります。
そして、この2つは大手の方が有利になりやすいのも理解しやすいと思います。
- 仕入れ量の多さによる価格優位性
- 受注量の多さによる作業効率
- 職人との価格交渉力
こうした点で、大手は強みを持っています。
そのため、
この優位性が「粗利率の高さ」を補えるかどうかが、大手の価格を左右するポイントになります。
私が在籍していた会社は、大手の中でも購買力や施工体制に強みのある会社でした。
そのため、大手同士で比較した場合でも価格が高くなることはほとんどありませんでした。
おそらく会社ごとの
- 諸経費の仕組み
- 仕入れコスト
- 組織体制
といった部分の違いが、価格差に影響していたのだと思います。
実際に価格差が出ることが多かったのは、
大手として必要とされる工事内容や、保証できる施工方法による費用の増加でした。
ただし、これらの工事の中には、
必ずしも施主が望んでいるわけではない内容が含まれていることもあります。
これは非常にもどかしいポイントで、
- 会社として守るべき基準
- なんとか価格を抑えて進めたい施主の希望
この間で葛藤が生まれる場面でもありました。
そしてここが重要なポイントですが、
工事規模や内容によっては、大手の提案がオーバースペックになることもあります。
だからこそ、
- 会社の仕組み
- 建物の状態
- 工事の規模
これらを理解したうえで、どの会社に依頼するかを選ぶことが大切です。
少なくとも相見積もりを取ることで、
何が違うのかは必ず見えてきます。
先入観だけで判断するのではなく、
情報を集めて比較することをおすすめします。
リフォーム経済新聞のランキング
リフォーム業界ではよく知られている媒体に、「リフォーム産業新聞(通称:リフォーム経済新聞)」というものがあります。
この新聞では、毎年リフォーム会社の売上ランキングが発表されています。
■ 上位はハウスメーカーばかり
ランキングを見ると、上位はハウスメーカー系の会社がほとんどを占めています。
2025年のランキングでも、
上位10社のうちハウスメーカー以外はわずか2社のみでした。
引用:リフォーム経済新聞
このことからも、良くも悪くもハウスメーカー系リフォーム会社の情報や口コミが多い理由が見えてきます。
ネットで情報発信している立場で何を言っているのかと思われそうですが、
口コミやネット情報はあくまで参考程度に考えることが大切です。
そして、この記事の内容も含めてすべて鵜呑みにするのではなく参考情報の一つとして考えてください。
最終的には、
相見積もりを取り、実際に担当者と話しながらこの情報が本当かどうかを確かめることをおすすめします。
■ ハウスメーカー住宅の光と影
ここで一つ気になるポイントがあります。
それは、ハウスメーカー系リフォーム会社の受注の多くがOB顧客(新築時の施主)であることです。
これは良い側面で見ると、
新築に満足した施主が、再びリフォームを依頼しているとも考えられます。
しかし、別の見方をすると少し違った側面も見えてきます。
ハウスメーカー住宅は、もともと一般住宅より高価格で新築されているケースが多いため、
「それでもリフォームが多いのはなぜなのか?」という疑問も出てきます。
これまで多くの建物を調査し、再生に携わってきた経験から言うと、
この“光と影”の部分は少なからず影響していると感じています。
特にハウスメーカー住宅は、認定規格住宅として建てられているケースが多く、
といった制約が生まれることがあります。
また、部材や施工方法が独自仕様になっている場合もあり、
メンテナンスやリフォーム費用が高くなりやすい傾向があります。
こうした背景も、
リフォーム売上ランキングの上位をハウスメーカーが占める理由の一つと言えるでしょう。
関連記事:ハウスメーカー住宅のメンテナンス方法
実際どっちがいいの?
「結局、大手と中小どっちがいいの?」
そう思いますよね。
結論から言うと、
工事内容によるという身も蓋もない回答になります。
ただし、ある程度の傾向はあります。
まず、大規模な再生工事や大きなメンテナンス時期(築30年以上)の場合は、
大手の方がトータルコストを考えると有利になるケースが多いです。
理由としては、
- 大きな失敗が起きる可能性が比較的低い
- 万が一問題が起きた場合でも対応できる資本力がある
という点があります。
特に今のSNS時代では、トラブルが拡散すると企業にとって致命的なダメージになる可能性があります。
そのため、大手企業は不当な対応ができない立場にあるとも言えます。
もちろん、すべての大手リフォーム会社が安全とは限りません。
営業担当者によって提案や対応の良し悪しは変わります。
あくまで「トラブルが起きる確率が比較的低い」という意味で理解していただけると良いと思います。
一方で、
- 部分的な工事
- 設備機器の交換
- 定期メンテナンス
といった小規模な工事の場合は少し事情が変わります。
大手企業はどうしてもルールや基準が厳しく、
正直なところそこまで必要なのかと思う工事内容が含まれることもあります。
「やるかやらないかで言えば、やった方がいいけれど…」
という提案が増えることもあり、
価格重視の場合は大手が不利になることもあります。
そのため、保証やブランドをそこまで重視しない場合は、
中小のリフォーム会社の方が向いているケースもあります。
ただし、リフォーム業界は正直なところ玉石混交の業界です。
中には注意が必要な業者も存在するため、
安さだけで決めるのは危険です。
そのため、
- 信頼できる比較サイトを利用する
- 3社ほど相見積もりを取る
といった基本的な手間は省かない方が良いでしょう。
関連記事:無料見積もり比較サイトの仕組み
まとめ|大手リフォームが高いかどうかは“比較の仕方”で変わる
「大手リフォーム会社は高い」とよく言われますが、実際に多くの見積もりを比較してきた経験から言えるのは、必ずしも一概に高いとは言えないということです。
確かに、大手は広告費や組織体制、コンプライアンス対応などのコストがかかるため、総額として高く見えることはあります。
しかし一方で、仕入れ量の多さや施工数の多さによる価格交渉力があり、材料費や工賃の部分ではむしろ安くなっているケースも少なくありません。
実際に見積もりを比較してみると、価格差の多くは
- 大手として必要な施工基準
- 保証を前提とした工事内容
- 管理体制やサポート体制
といった部分にあることが分かります。
つまり、**単純な価格の問題というより「仕組みの違い」**によって差が出ているのです。
また、工事内容によっても向き不向きがあります。
例えば、
大規模リフォームや築30年以上のメンテナンス
→ 大手の管理体制や保証が安心材料になるケースが多い
部分的な修理や設備交換などの小規模工事
→ 中小リフォーム会社の方が価格面で有利な場合もある
このように、建物の状態や工事内容によって最適な会社は変わります。
そのため、最も大切なのは
先入観だけで会社を選ばないことです。
口コミやネット情報は参考にはなりますが、実際の工事内容や価格は案件ごとに大きく変わります。
だからこそ、
- 相見積もりを取る
- 工事内容を比較する
- 担当者の説明を聞く
といった基本的な比較を行うことで、初めて本当の違いが見えてきます。
リフォームは決して安い買い物ではありません。
イメージや評判だけで判断するのではなく、情報を集めて比較し、自分の家に合った会社を選ぶことが失敗しないための一番の近道です。



コメント