ー「良い仕事は儲からない?」職人さんと上手に付き合う接し方ー
新築やリフォーム中で、現場の職人さんにどう接すればいいのか分からず不安を感じていませんか?

無口だったり、見た目が怖そうな人が多いのでドキドキしますよね。
「職人さんって怖そう…」
「良い仕事ってしてもらえるの?」
「“良い仕事は儲からない”ってどういう意味?」と色々と不安を感じるものです。
私自身も現場で数多くのお客様と接する中で、「職人さんとどう付き合えばいいのか分からない」という声を何度も耳にしてきました。
この記事を読めば、
職人さんの考え方や仕事の背景を理解しながら、
気持ちよくコミュニケーションを取るコツがわかります。
結果として、
より丁寧で満足度の高い住まいづくりを実現する第一歩が踏み出せるます。
■この記事でわかること
・「良い仕事は儲からない」の本当の意味と建築現場の実態
・職人さんの仕事スタイル(契約形態や価値観)
・より良い住まいをつくるための職人さんとの上手な関わり方

strato
大手ハウスメーカー リフォーム部
元エリアマネージャー
エリア実績 全国No1獲得
現在は独立してブログで住まいの情報発信中
建築業界25年の知識を発信します。
「良い仕事は儲からない」って、どういうこと?
実はこれ、建築業界では職人さんの間でよく聞かれる言葉なんです。
「〇〇くん、あんまり丁寧にやりすぎたら儲からへんで〜!ワハハ!」
これは冗談半分、でも本音も混じっています。
なぜなら、丁寧で時間のかかる“良い仕事”をすればするほど、儲けが減ってしまうケースがあるからです。
建築現場の「契約スタイル」は2つ
現場では、大きく分けて以下の2つの契約があります。
① 請負契約(図面通りに決めた金額で請け負う)
多くの現場では、請負契約が基本です。
これは、図面や仕様書に基づいて「この内容でこの金額です」と合意して進める契約。仕様に変更がない限り、追加費用も発生しません。
ただし、細かな施工方法までは指定されないことが多く、時間をかけすぎると人件費がかさみ、職人さんの利益が減ってしまうのです。
そのため、丁寧にやるほど儲からない=良い仕事ほど割に合わないという声が出てしまうのですね。
② 常用契約(作業時間に応じて支払う)
一方で、常用契約はかかった時間に応じて支払いを行う「労働提供型」の契約。
これは下請け業者(子方さん)などに多く見られます。
昔は元請大工さんもこのようなスタイルで動いており、契約も口約束で進めていた時代もありました。
その結果、時間もコストも余分にかかってしまうことがあったそうです。
あるご年配のお客様は、こう話してくれました。
「こうしたいって伝えても、“ダメダメ、ここはこう納めなきゃ”って言われて、希望が通らなかったんですよ。」
昔は大工さんの裁量が大きく、強いプライドを持って時間をかけて施工されていた時代だったのかもしれません。

今では想像できない関係性です。
仕事の仕上がりについて
基本的には、請負契約のほうが段取り次第で利益が出やすいとされています。
だからこそ、手間がかかる方法や非効率な施工は、どうしても避けられがち。
ただし、細かな納まりや仕上がりの美しさは、職人さんの裁量に委ねられている部分が多いのです。
ここに、「良い仕事は儲からない」の本質があります。
つまり、
“職人気質”と“商売上手”は別もの。
商売上手な職人さんは、要領よくスムーズに進めて利益も確保。
一方、職人気質な方は「納得いくまでやりたい」という思いから、
契約金額を超えるような丁寧な仕事を“つい”してしまうこともあります。
どちらが良い・悪いではありません。
こだわりがあるからこそ「良い住まい」ができるのです。
補足までに
各メーカーの保証範囲内で一定の品質は保たれています。
ご心配なく。
職人さんも“人” 気遣いが力になります
職人さんの仕事ぶりには、技術だけでなく“気持ち”が大きく関わってきます。
「私は元請けと契約してるから、職人さんとは関係ない」
「すべて同じ品質で仕上がるはず」
たしかに品質は管理されていますが、“人がつくるもの”には気持ちが影響するのが現実です。
職人は、自分の腕一本で稼ぐことを選んだ人たちです。
プライドを持って作業されますが、気持ちで動く傾向も強いです。
日頃顔を出したり、感謝の言葉をかけたりするだけで、
「このお客さんのために頑張ろう」と思ってくれる方も多いです。
だからこそ、「気持ちを労う」「一言声をかける」ことはとても大切。
それだけで現場の空気が変わることもあります。
特に昔ながらの職人気質な方ほど、人情に厚くて感情で動く傾向が強い印象があります。

職人さんに手直しを依頼する時は特に注意が必要です!
せっかく造ったものを自分の手で壊すのはなかなか辛いものです。

料理でも喜んで食べてもらうつもりで作って、
食べられず捨てるのはかなり辛いよね。
建築の真理「神は細部に宿る」
建築現場でいつも感じることがあります。
- やればやっただけ、確実に良くなる
- 手を抜けば抜いた分、確実に悪くなる
仕上がりの美しさ、快適さは、細部の丁寧さに現れます。
最近は依頼主と職人さんとの距離が遠くなりがちですが、
実際に家を建てるのは現場にいる“人”。
細部までこだわる職人さんたちが、皆さんの住まいを支えてくれているのです。
だからこそ、人と人との関わりを大切にしていくことが、良い住まいづくりにつながると私は思っています。
もちろん職人さんも儲けあっての仕事、良いものが適切な金額で行き届く事がベストです。

気持ちも大切ですが
無理なお願いは気をつけましょう
【まとめ】職人さんと心を通わせよう
「良い仕事は儲からない?」という言葉は、
職人さんが“良いものをつくろう”という思いを持ってくれている証でもあります。
大事なのは、元請けとのやり取りだけではなく、職人さんへのちょっとした気遣いや感謝の気持ち。
ただし、現場で話しかけるときは、必ず元請けや営業担当がいるときに声をかけてくださいね。
安全のため、配慮も大切です。
もちろん追加費用を支払って仕上がりにこだわってもらうことも可能です。
職人さんもボランティアではありません。
「お金」と「ありがとう」のバランスを大切に住まいづくりを進めてください。
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