「ユニットバスが寒いのはなぜ?」
「新しく交換したのに冬は冷え切っている」
「浴室暖房をつけても足元が冷たいまま…」
そんな疑問や不安を感じていませんか?
その原因は、ユニットバス本体ではありません。
実は、ユニットバスが寒いと感じるご家庭は少なくありません。
魔法瓶浴槽や最新モデルにしても「思ったより暖かくない」と後悔するケースは多いのが現実です。
その原因は、ユニットバス本体の性能だけではなく、建物側の断熱や気密の問題にあることがほとんどです。
この記事では、なぜユニットバスが寒いのかという構造的な理由から、交換時に必ず検討すべき断熱補強のポイント、ヒートショックを防ぐための具体策まで、建築のプロの視点でわかりやすく解説します。
■この記事でわかること
・ユニットバスが寒い本当の原因
・設備交換だけでは改善しない理由
・交換時にやるべき断熱・気密対策
・ヒートショックを防ぐための具体策
ユニットバスが寒い原因は、本体性能ではなく「壁・基礎・窓」にあるケースがほとんどです。
見た目のリフォームだけでは、寒さは根本的に解決しません。
この記事を読むことで、寒さの本当の原因が理解でき、後悔しない断熱改善の判断ができるようになります。
価格だけに惑わされず、“性能で選ぶ”リフォームができるようになるはずです。

strato
大手ハウスメーカー リフォーム部
元エリアマネージャー
エリア実績 全国No1獲得
現在は独立してブログで住まいの情報発信中
建築業界25年の知識を発信します。
ユニットバスが寒い理由 本体はほぼ断熱されていない

魔法瓶浴槽=浴室が暖かい、ではない
各メーカーが「魔法瓶浴槽」とうたっていますが、断熱されているのは基本的に
- 浴槽本体
- 断熱風呂フタ
のみです。
では、壁・床・天井はどうでしょうか?
多くのユニットバスは、
- 薄い化粧鋼板パネル
- 背面に石膏ボード
- 床や壁周囲はほぼ無断熱
という構造です。
既存建物の浴室周りを断熱補強していないと
極端に言えば、
外にプレハブ小屋を置いているような状態
コーキングやパッキンで気密は高いですが、壁や床材を通して外気と熱交換しています。
オプション等で断熱を施す施工もありますが
本来ユニットバスだけで断熱するのは構造上無理があります。
最近のユニットは「床がひんやりしにくい仕様」になっていますが、冬場は普通に冷えます。
賃貸ユニットはさらに冷える
- FRP製の厚みの薄い非断熱浴槽
- コスト重視の薄い床材
- 断熱性能の低い賃貸住宅構造
断熱性能の低い住宅では、正直「修行レベル」の寒さです。
冬にお風呂に入りたくなくなるのも無理はありません。
ユニット交換時こそ断熱補強の最大チャンス

なぜリフォームで断熱工事が提案されないのか?
理由は明確です。
- 金額が上がる
- 見積比較で不利になる
- 見た目に変化が出ない
水回りリフォームは「器具交換」が主流。
断熱補強は“売れにくく、認知度も低い工事”です。
最近でこそ新築では断熱・気密を大々的に発信していますが、リフォームではまだまだ軽視されています。
新築ですら断熱欠損がある中、リフォームで十分な断熱施工が行われないのが現実です。
現在の施工体制
最近ではユニット施工店が
- 既存ユニット解体
- 新規組立
- ダクト接続
- 排水・電気配線接続
- 軽微な大工工事
まで一式で行います。
価格を抑えるには、関わる職人数を減らすのが最短ルートだからです。
しかし、本来必要なのは次の工事です。
- 壁内断熱充填
- 気密処理
- 外壁側の耐火石膏ボード施工
特に外壁面は、耐火の観点から石膏ボード施工が必要なケースもあります。
現在ユニットバス交換時期を迎えている住宅では、未施工のままのケースが大半です。
是正できるタイミングで是正するのが本来の工事請負者の責任ですが、価格競争の中で省略されがちです。
基礎断熱と気密処理が寒さを左右する
壁だけ断熱しても不十分です。
基礎や外気との通気対策が非常に重要です。
冷気は基礎から入る
- 人通口
- 通気口
- 配管スリーブ
- 土台周辺
ここが無断熱・無気密だと、外気温と同じ空気がユニット周囲を覆います。
つまり、
外にユニットを組んでいるのと同じ状態になります。
これが「ユニットバスが寒い」根本原因です。
有効な対策
- 基礎立ち上がり断熱
- 人通口の断熱蓋加工
- 発泡ウレタンによる隙間充填
- 防水パンと土台の気密テープ処理
ただし、
- シロアリ点検
- 漏水確認
ができる構造にする工夫は必須です。
通気口を塞いだ場合は別途通気経路を計画する必要があります。
最近では賃貸住宅でも、ユニット周囲を厚みのある断熱材で囲う施工が一般化しています。
しかしリフォームではまだまだ!
窓廻りや基礎の腐食もそのまま放置される事も!?

えー そんな事あるの?

追加が取れない
施工手間が取れないなど理由で蓋を締める業者もいます。
窓対策を忘れると必ず後悔する
熱損失の大半は「窓」です。
浴室に単板ガラスのアルミサッシが入っていれば、そこから大量の熱が逃げます。
最悪の場合、結露が構造材を傷めることもあります。
ユニット交換+断熱補強をするなら、
をセットで検討してください。
ヒートショック対策は脱衣所が鍵
ヒートショックは、急激な温度差による血圧変動が原因です。
消費者庁の資料によると、
入浴中の事故による高齢者の死亡者数は交通事故の2倍と推計されています。

出典:消費者庁「高齢者の事故に関するデータとアドバイス」資料より
冬場の救急搬送数は格段に上がっています。
寒暖差が大きいほどリスクは上がります。

出典:消費者庁「高齢者の事故に関するデータとアドバイス」資料より
いくら浴室を暖かくしても、
ではせっかくのリフォームも持ったいな結果になります。
同時施工がおすすめ
- 洗面室の壁・床断熱補強
- 内窓設置
- 気密施工
- 浴室暖房の活用
入浴後に浴室ドアを開け、暖気を脱衣室へ送り、着替え後に換気するなど、寒暖差を減らす工夫も重要です。
理想はLDKから直接入れる動線設計
日本の戸建住宅は本当に寒いです。
廊下や玄関ホールを通って脱衣所へ行くと、
室温が一桁台になることも珍しくありません。
建物全体の高断熱化は高額ですが、
- 動線変更
- 引き戸追加
- 間仕切り変更
- 部分断熱
であれば工夫次第でコストは抑えられます。
ユニット交換は100万円前後の工事。
一度施工すれば15年以上使用します。
その間、寒さと健康リスクを背負うのか。
今このタイミングで性能を底上げするのか。
費用対効果を冷静に考えるべきです。
【チェックリスト】ユニットバス交換時に確認すべきこと
✔ 壁内に断熱材を追加するか
✔ 外壁側に石膏ボード耐火施工をするか
✔ 基礎立ち上がり断熱をするか
✔ 人通口を断熱蓋にするか
✔ 配管周りの気密処理をするか
✔ 洗面脱衣所も同時に断熱補強するか
✔ 窓の断熱対策を行うか
各社の考え方や提案を確認してみて下さい。
価格を抑えることを考えているのか
将来の性能や施工を意識しているのか見えてきます。
必ず見積書に明記してもらいましょう。

施工のタイミングで対策することが
後々の生活の質を高めます。
よくある質問
Q1. ユニットバスが寒いのは寿命ですか?
いいえ。寿命ではありません。
多くの場合、建物側の断熱不足が原因です。ユニットバス交換だけでは改善しないケースがほとんどです。
Q2. ユニットバスに断熱材は入っていますか?
浴槽には入っていますが、壁や床はほぼ無断熱です。オプション仕様でも厚みは限定的です。根本改善には建物側の断熱補強が必要です。
Q3. 浴室暖房だけで寒さは解決しますか?
一時的には暖かくなりますが、壁・基礎・窓が無断熱なら熱は逃げ続けます。
根本対策は断熱と気密です。
Q4. ヒートショック対策で最も重要なのは?
浴室単体ではなく、脱衣所との温度差をなくすことです。
浴室+洗面室の同時断熱が効果的です。
まとめ|ユニットバスが寒いのは構造の問題
ユニットバスが寒い原因は、
です。
ヒートショック対策としては
の改善がポイントです。
価格だけで業者を選ぶと、
「新品なのに寒い」状態が続きます。
もちろん予算合ってのリフォームです。
工事費で生活が苦しくなれば本末転倒
最近では新築賃貸住宅の断熱性能も向上しています。
場合によっては住み替えも選択肢の一つです。
せっかく大きな金額を出すなら、
見た目ではなく“性能”で比較してください。




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