「間取りをどう決めればいいかわからない…」
「プロに任せたのに、住み始めてから後悔している」
「新築もリフォームも、間取り次第で生活がガラッと変わるって本当?」
そんな不安や迷いを感じていませんか?
間取りは家づくりの“心臓部”ともいえる重要な要素。
にもかかわらず、「こんなはずじゃなかった」と後悔する人は少なくありません。
筆者自身、住宅業界で多くのお客様と接する中で、間取りに悩む声を何度も聞いてきました。
この記事では、「失敗しない間取り計画」のコツを5つのステップで解説します。
家族が本当に快適に過ごせる間取りをつくるために、今日からできる具体的な考え方を紹介します。
■この記事でわかること
・間取り計画でまずやるべき“洗い出し”の方法
・プロと話す前に知っておきたい「ゾーニング」の基礎
・暮らしを想像することが成功のカギになる理由
・「特別な日」より「毎日」の使いやすさを優先する視点
・将来を見据えた間取りの考え方
間取り計画は、“自分たちの暮らし”をどれだけ具体的に想像し、設計に反映できるかがカギです。プロ任せにせず、家族みんなで話し合うことが理想の第一歩になります。
まずは、日頃の不満や不便を洗い出す
建築雑誌やネット情報には魅力的なアイデアがあふれています。
「これもいいな」「あれも取り入れたい」と目移りすることもありますよね。
しかし、家庭ごとに生活スタイルや価値観は異なります。
見た目や流行を追うよりも、まずは「自分たちに合うかどうか」の視点が大切です。
そのためにも最初にやるべきことは、
今の暮らしの中で感じている不満や不便を洗い出すことです。
たとえば、こんなことはありませんか?
- 物を置く場所がなくて、いつも散らかってしまう
- 玄関が渋滞して出入りがしづらい、暗い
- 高齢の親をサポートしにくい間取り
- 子どもがランドセルをその辺に放り出してしまう
- ゴミの置き場が丸見えで、生活感が出てしまう など
これらを設計担当や営業担当に正直に伝えることが、家づくり成功の第一歩です。
「何を大切にして暮らしているのか」を共有することで、家のコンセプトや提案に深みが出てきます。
リフォームの場合は、今の不満をリアルに体験しているため提案しやすいですが、
新築の場合は自分たちで洗い出す作業がとても大切です。
今の住まいの写真を見せてもらえると、より具体的な提案がしやすくなることもあります。
そして、今の住まいで気に入っている点も一緒にまとめておきましょう。
「前の方が使いやすかった…」とならないためにも、大切な視点です。
ゾーニングからの落とし込み
設計担当は、敷地条件や希望する部屋数・帖数を聞き取り、
ゾーニング(空間の配置分け)とプラン提案を行います。
例えば、
- 採光や風通しを考えて居室を南側に配置
- 動線を意識してサニタリースペースを決定
- 収納スペースの確保 など
この段階では、流行や一般的な価値観に基づく提案が多くなります。
おしゃれだけど使いづらい…なんてことも起こる可能性もあります。
ここで、事前に整理した不満や希望をきちんと伝えることが大切。
それをゾーニングにどう反映するかで、設計担当の力量が見えてきます。
なお、ハウスメーカーによっては間取りに制約があり、
思い通りにいかないケースもあります。
その場合は、業者の変更も検討する必要が出てくるでしょう。
想像することの大切さ
ぜひ実践していただきたいのが、
提案されたプランの中で、想像して暮らしてみること。
リアルな想像をするほど、必要なことが見えてきます。
- 朝起きて、歯を磨いて、着替えはここから取って
- 庭の植木に水をやって、ゴミを出して…
- 子どもが帰ってきて、ランドセルをどこに置くか
- デイサービスから帰えって来たおばあちゃんはどこに座るか
- 子どもが〇〇歳になったら、どう使い方が変わるか などなど
設計担当も、お客様の生活を想像して提案していますが、
実際に暮らすのはお客様自身です。
設計士は空間を想像するのが得意ですが、
一般の方にとっては「思ってたんと違う」になりがち。
だからこそ、家族一人ひとりが想像の中で生活してみることをおすすめします。
きっといろんな意見が出て、プランがブラッシュアップされていきますよ。
もちろんプロの意見も聞きつつ、メリット・デメリットを確認しながら、
採用・不採用を判断していきましょう。
「365日」と「たまの一日」のバランスを取る
注意したいのは、
毎日のルーチンと、たまにしかしない行事とのバランスです。
たとえば、来客が少ないのに来客重視のプランにすると、
普段は使わないデッドスペースになってしまうことも。
設計プラン段階では気持ちも高まり、不要なスペースを採用しがちです。
それよりも、毎日使う収納や動線の改善を優先したほうが、
生活満足度は確実に上がります。
もちろん、プライスレスな行事を大切にしたい場合もあります。
家族でしっかり話し合って、バランスの取れた暮らしを目指しましょう。
未来に備える“可変性”を持たせる
「家は3回建てないと理想にならない」とよく言いますが、そんなことしていられませんよね。
だからこそ、今だけでなく「将来の変化」に対応できる設計が重要です。
- 子どもが独立した後の部屋の使い方
- 在宅勤務が増えたときの書斎スペース
- 両親の介護が必要になったときの動線
間取りに“ゆとり”や“変更しやすさ”を組み込んでおくことで、家は長く快適に暮らせる場所になります。
理想の間取りは「今の悩み」と「未来の想像」から生まれる
理想の家づくりは、「かっこいい」より「暮らしやすい」が優先です。
- 今の生活の困りごと
- 家族それぞれの希望
- 将来どう暮らしたいか
これらをベースに、家族みんなで話し合って、プランをじっくり練ることが、後悔しない家づくりの近道です。
「一緒に生活を想像しながら」家をつくっていく──
それこそが、最高の間取りへの第一歩です。
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