新築やリフォームをする際に、
「どう間取りを決めたらいいの?」
「何を基準にしたらいいの?」
と迷われる方も多いのではないでしょうか?
今回は、某大手リフォームメーカーで全国1位の実績を持つ元エリアマネージャーが、
間取り計画について、わかりやすく解説していきます!
少しでも皆さんの家づくり・住まいづくりの参考になればと思い、今後も情報を発信していきます。
まずは、日頃の不満や不便を洗い出す
建築雑誌やネット情報には魅力的なアイデアがあふれています。
「これもいいな」「あれも取り入れたい」と目移りすることもありますよね。
しかし、家庭ごとに生活スタイルや価値観は異なります。
見た目や流行を追うよりも、まずは「自分たちに合うかどうか」の視点が大切です。
そのためにも最初にやるべきことは、
今の暮らしの中で感じている不満や不便を洗い出すことです。
たとえば、こんなことはありませんか?
- 物を置く場所がなくて、いつも散らかってしまう
- 玄関が渋滞して出入りがしづらい、暗い
- 高齢の親をサポートしにくい間取り
- 子どもがランドセルをその辺に放り出してしまう
- ゴミの置き場が丸見えで、生活感が出てしまう など
これらを設計担当や営業担当に正直に伝えることが、家づくり成功の第一歩です。
「何を大切にして暮らしているのか」を共有することで、家のコンセプトや提案に深みが出てきます。
リフォームの場合は、今の不満をリアルに体験しているため提案しやすいですが、
新築の場合は自分たちで洗い出す作業がとても大切です。
今の住まいの写真を見せてもらえると、より具体的な提案がしやすくなることもあります。
そして、今の住まいで気に入っている点も一緒にまとめておきましょう。
「前の方が使いやすかった…」とならないためにも、大切な視点です。
ゾーニングからの落とし込み
設計担当は、敷地条件や希望する部屋数・帖数を聞き取り、
ゾーニング(空間の配置分け)とプラン提案を行います。
例えば、
- 採光や風通しを考えて居室を南側に配置
- 動線を意識してサニタリースペースを決定
- 収納スペースの確保 など
この段階では、流行や一般的な価値観に基づく提案が多くなります。
おしゃれだけど使いづらい…なんてことも起こる可能性もあります。
ここで、事前に整理した不満や希望をきちんと伝えることが大切。
それをゾーニングにどう反映するかで、設計担当の力量が見えてきます。
なお、ハウスメーカーによっては間取りに制約があり、
思い通りにいかないケースもあります。
その場合は、業者の変更も検討する必要が出てくるでしょう。
想像することの大切さ
ぜひ実践していただきたいのが、
提案されたプランの中で、想像して暮らしてみること。
リアルな想像をするほど、必要なことが見えてきます。
- 朝起きて、歯を磨いて、着替えはここから取って
- 庭の植木に水をやって、ゴミを出して…
- 子どもが帰ってきて、ランドセルをどこに置くか
- デイサービスから帰えって来たおばあちゃんはどこに座るか
- 子どもが〇〇歳になったら、どう使い方が変わるか などなど
設計担当も、お客様の生活を想像して提案していますが、
実際に暮らすのはお客様自身です。
設計士は空間を想像するのが得意ですが、
一般の方にとっては「思ってたんと違う」になりがち。
だからこそ、家族一人ひとりが想像の中で生活してみることをおすすめします。
きっといろんな意見が出て、プランがブラッシュアップされていきますよ。
もちろんプロの意見も聞きつつ、メリット・デメリットを確認しながら、
採用・不採用を判断していきましょう。
365日と、たまの一日との天秤
注意したいのは、
毎日のルーチンと、たまにしかしない行事とのバランスです。
たとえば、来客が少ないのに来客重視のプランにすると、
普段は使わないデッドスペースになってしまうことも。
設計プラン段階では気持ちも高まり、不要なスペースを採用しがちです。
それよりも、毎日使う収納や動線の改善を優先したほうが、
生活満足度は確実に上がります。
もちろん、プライスレスな行事を大切にしたい場合もあります。
家族でしっかり話し合って、バランスの取れた暮らしを目指しましょう。
まとめ|理想の間取りをつくるために
間取りプランで一番大切なのは、
どれだけリアルに生活を想像できるか。
将来を見据えて可変性(ライフスタイルの変化への対応)を持たせることで、
長く快適に暮らせる家になります。
「家は3回建てないと理想の家にならない」と言われますが、
それほどに人生にはターニングポイントが多くあります。
結婚、子育て、介護、老後…
家族としっかり話し合い、プランの中でリアルな生活を想像してみてください。
コメント