「お風呂リフォームをしたいけれど、100万円以上かかると言われて迷っている」
「相見積もりを取ったけれど、どこを削ればいいかわからない」
お風呂リフォームを安くするには、値引き交渉より工事内容の確認が重要です。
築年数や、既存のお風呂の種類によって工事内容は大きく変わります。
筆者は、大手リフォーム会社で長年建築業界に関わってきました。リフォームの職人の立場・メーカーの価格設定の裏側まで理解した上で解説します。
結論、ユニットバス本体の価格は、定価の半値八掛けで手に入ります。
100万円のユニットバスなら40万円程度です。
あとは、建築側の施工(人工と材料)です。性能や交換をどこまでするかで変わります。
本体価格と組み立て費+建築工事を合わせると、内容によって100万円前後はかかってきます。
だからこそ、後悔しないためにお風呂の工事内容を先に理解することは大切になります。
■この記事でわかること
・費用が高くなるポイント
・お風呂リフォームで後悔するポイント
・価格をおさえる対策
・リフォーム費用相場と工事の優先順位
・信頼できる業者の選び方
この記事を読むことで、価格だけに惑わされず、「性能で選ぶ」リフォームができるようになるはずです。

strato
大手ハウスメーカー リフォーム部
元エリアマネージャー
エリア実績 全国No1獲得
現在は独立してブログで住まいの情報発信中
建築業界25年の知識を発信します。
お風呂リフォーム費用が高くなる3つの理由

ユニットバス本体以外に工事費が発生するため
多くの人は浴室本体価格だけを見ていますが。
実際には、
が必要です。
逆に言うと、この価格を抑えれば一気に金額は下がります。
築35年以下の建物だと、既存のお風呂がユニットバスであることが多いです。
この場合は、解体〜組み立て配管接続と軽微な電気接続まで全てユニット職人が施工することも可能です。
いわゆる多能工の職人に依頼することです。
そうすると、解体工 1から2人工 配管工 1人工 電気工事 1人工 大工 1人工が浮いてきます
大雑把に5人を減らせば20〜30万円近く削減できます。
建築工事の費用がいかに大きいかが良く分かると思います。
築年数によって追加工事が発生する|築35年以上は注意!

ポイント:築35年以上の戸建、
などのリスクが一気に高まります。
経験上、在来のお風呂を解体して、腐食がなかったら驚くレベルぐらい稀な事です。
腐食前提で土台交換を見積もっているかがポイントです。
配管も本来は、お風呂のメーカー図面に合わせて取り替えるのが基本です。ユニットバス設置のため耐圧の土間打ちが必要なので、正しい施工がなされてるかがポイントです。
既存の給水管も塩ビ管なら繋ぎが可能ですが、鉄管なら塩ビ管部分まで取り替えが必須になります。
水圧検査の結果の報告も必ずもらいましょう。

元々の工事が悪く水圧検査で圧をかけただけで水漏れした事もあります。業者も大変な思いをすることがあるようです。

高性能商品やオプションを追加しすぎない|標準がベスト
オプション項目は業者の儲けどころ
ただし、「削ればいい」ではなく、「費用対効果を見る」という方向。

正直個人的には、お風呂は掃除のしやすさと断熱性が重要で、それ以外は贅沢品かと思います。
相見積もりは値引き目的ではなく適正価格を知るために使う
今の時代 一括見積もりが容易になったので、相見積もりは必須です。
▶関連記事:【初心者必見】相見積りは取るべき?難しいと言われる理由と失敗しない業者選びの考え方
施工方法しだいで20〜30万円安くなる説明をしたように、どのような方法で施工するのかが重要です。
また、依頼先の会社とユニットメーカーとの取引量によって、本体価格は大きく変わります。安い仕様を大量に仕入れている場合もあるので、何が違うかも確認してください。
価格だけ比較すると失敗します。
▶関連記事:リフォームの標準仕様と提案の違いを徹底解説|価格差・失敗しない比較ポイント
ポイントは
安いのには理由があります。高いのにも理由があります。これを比較検討してください。
大手リフォーム会社に勤めていた立場として、建築工事の違いは将来の満足度を大きく左右します。
多能工の多くは、ユニット職人が解体から接続組み立てまでするのが一般、電気や設備のプロではないので知識の範囲は部分的です。
あくまでも、築浅の建物が対象になることだけは忘れないで下さい。
お風呂の位置変更は慎重に
浴室移動は、
が発生。場合によって数十万〜数百万円アップ。
間取り変更ありきで計画する場合は効果的ですが、お風呂単体工事する場合は、コスト負けすることが多いです。
▶関連記事:【プロ解説】戸建て住宅の狭いお風呂を広く快適にリフォーム|注意点とポイント解説

お風呂リフォームで後悔する3大テーマ
浴室リフォームで後悔する原因を整理すると、大きく3つのテーマに集約されます。
| 後悔のテーマ | よくある声 | 根本原因 |
|---|---|---|
| ① 寒さ・ヒートショック | 「交換したのにまだ寒い」「冬が怖い」 | 建物側の断熱・気密不足 |
| ② 窓の後悔 | 「ユニットに変えて結露・カビが増えた」「暗くて後悔」 | 設置前の性能・環境確認不足 |
| ③ 掃除の大変さ | 「毎日掃除してもカビが取れない」「設備が多くて手が回らない」 | 換気不足+複雑な設計 |
これらはいずれもリフォーム後には対処が難しく、設計段階で対策するのが最も効果的です。それぞれ詳しく解説します。
窓交換ではなく窓をなくす選択肢も検討する
窓交換の場合、
が必要になります。費用を抑えるには内窓の設置が一般的な対策です。
間違っても既存窓(一枚ガラス)やルーバー窓で工事しないでください。必ず後悔します。
サッシまわりが汗をかいて、周囲の構造部を腐食させる恐れがあります。

窓をなくすことで、
になる場合がある。
ただ、窓をなくす場合は、既存窓部分が熱橋(外部の寒さ暑さを伝える)可能性が高いため、必ず断熱材充填やウレタン吹付けなどで隙間を塞ぐようにしてください。
一枚ガラスの場合と同じように、汗をかいて構造部を腐食させる恐れがあります。
「魔法瓶浴槽=浴室が暖かい」は誤解
各メーカーが採用している「魔法瓶浴槽」は、浴槽本体と風呂フタの断熱性能を指すものであり、浴室空間全体が暖かくなるわけではありません。
ユニットバスの壁パネル・床材はほぼ無断熱の構造です。
浴室が寒いと感じる原因は、浴室を取り囲む建物側の断熱・気密性能にあります。
どれほど高性能なユニットバスを選んでも、建物側の断熱を改善しなければ寒さは解決しません。
既存建物の浴室周りを断熱補強していないと、極端に言えば、
外にプレハブ小屋を置いているような状態
コーキングやパッキンで気密は高いですが、壁や床材を通して外気と熱交換しています。
基礎断熱と断熱・気密処理が寒さを左右する

浴室の寒さで特に見落とされやすいのが「基礎からの冷気」です。
ユニットバスの床下は基礎と接しており、人通口・配管スリーブ・通気口からの冷気が浴室に流れ込みます。
ユニットバスの交換工事は、この断熱補強をする最大のチャンスです。
ユニットを撤去した状態でないと施工できない基礎断熱・気密処理を、交換工事に合わせて行うことで、コストを大幅に抑えながら根本的な改善が可能です。
- 基礎立ち上がりへの断熱材施工(スタイロフォーム等)
- 人通口・配管スリーブの気密処理
- 浴室周りの壁・天井への断熱材充填
業者に「断熱補強も同時にお願いしたい」と事前に伝えておくことが重要です。
配管交換のリスク|現地調査では見えない部分の先行費用を確認する

安くするために配管工事を削るのは危険。
理由:後から漏水すると再工事になる。
「交換するべき配管」と「まだ使用できる配管」を判断することが重要。
ポイントは築35年以上経過しているかどうか。基本的に古いお宅は交換をおすすめします。特に在来のお風呂は基本交換するものです。
戸建て住宅の場合、既存がユニットバスだとユニット周辺に給排水が集まる設計になっているはずです。
施工の機会に確認してもらうことをおすすめします。
▶関連記事:外部給排水工事とは?費用相場・チェックポイントをプロがわかりやすく解説
最近の配管は樹脂管が主流|補修交換の費用相場
現在の給水管の主流は、樹脂管になります。
軽量で施工性が高く耐久性にも優れています。
柔らかいため地震の揺れによる破断の恐れも減り漏水の軽減につながるので、解体時に一緒に検討することをおすすめします。
| 内訳 | 相場 |
|---|---|
| 給排水管工事 | 3〜10万円程度 |
| 電気工事 | 3〜5万円程度 |
| 土台交換 | 8〜15万円程度 |
なぜリフォームで断熱工事が提案されないのか?
理由は明確です。
水回りリフォームは「器具交換」が主流。断熱補強は「売れにくく、認知度も低い工事」です。
最近でこそ新築では断熱・気密を大々的に発信していますが、リフォームではまだまだ軽視されています。
新築ですら断熱欠損がある中、リフォームで十分な断熱施工が行われないのが現実です。
▶関連記事:日本の住宅はなぜ寒い?断熱不足の原因と健康リスク・結露対策

グレード選びは標準仕様を基本にする
おすすめ仕様オプションは
は優先度が高いですが、
削減候補は

掃除の手間が増えて、最終的に使わないことが非常に多いです。
ユニットバスリフォームの費用相場と優先順位
浴室リフォームは工事の組み合わせによって費用が大きく変わります。予算に合わせた優先順位の考え方を整理します。
| 工事内容 | 費用目安 | 優先度 |
|---|---|---|
| 内窓設置(浴室窓の断熱化) | 5〜15万円 | ★★★(コスパ最高) |
| 脱衣所暖房設置 | 3〜8万円 | ★★★(ヒートショック対策) |
| 浴室乾燥暖房機(換気扇交換) | 10〜20万円 | ★★★(寒さ+乾燥の両立) |
| 基礎断熱・気密処理 | 5〜20万円 | ★★☆(交換工事と同時が◎) |
| ユニットバス本体交換のみ | 60〜120万円 | ★★☆(本体劣化時) |
| ユニットバス交換+断熱補強一式 | 100〜200万円 | ★★☆(根本的解決) |
| 浴室周りの壁・天井断熱改修 | 20〜50万円 | ★☆☆(大規模工事時) |
予算が限られる場合の優先順位:
- 脱衣所暖房設置(ヒートショック予防・安価)
- 内窓設置(寒さ・結露・カビの同時改善)
- 浴室乾燥暖房機への換気扇交換(掃除ラク+寒さ対策)
- ユニットバス本体交換(本体の劣化・設備の老朽化)
ユニットバスを交換する際は、断熱補強を同時に行うのが最もコスト効率が高いです。
解体・撤去費用が共用できるため、後から断熱だけ工事するよりも割安になります。
信頼できる業者の選び方
浴室リフォームは工事内容が複雑なため、業者の施工品質が仕上がりに直結します。
最低3社に相見積もりを取り、以下のポイントで比較してください。
| 確認項目 | 良い業者のサイン | 注意が必要なサイン |
|---|---|---|
| 現地調査の内容 | 床下・基礎・換気経路まで確認する | カタログを見せるだけ・外観だけ確認 |
| 断熱への言及 | 「断熱補強も同時にやりますか?」と提案してくれる | 本体交換のみで断熱の話が出ない |
| 見積もりの内訳 | 解体・配管・断熱・設備が分けて記載 | 「一式」のみで内訳がない |
| 施工事例 | 浴室リフォームの具体的な事例を複数持つ | 事例写真が曖昧・ユニットバス交換のみの実績 |
| 工期と養生 | 近隣への配慮・養生計画を説明できる | 工期が異常に短い・養生の説明がない |
お風呂後悔ポイント|よくある質問(Q&A)
- Q新しいユニットバスに交換したのに冬でも寒いのはなぜですか?
- A
ユニットバス本体には壁パネルや床に断熱材がほぼ入っていないためです。
浴室が寒い原因は建物側の断熱・気密不足(基礎、壁、窓)にあります。「魔法瓶浴槽」は浴槽本体の保温性を指すものであり、浴室空間全体が暖まるわけではありません。
- Qヒートショックを防ぐために最初にやることは何ですか?
- A
最もコスパが良いのは脱衣所に暖房(電気式パネルヒーター等)を設置することです。3〜8万円程度で浴室との温度差を大幅に縮められます。
次に浴室乾燥暖房機への交換(入浴前の予熱機能付き)を検討してください。
- Qお風呂の窓は付けた方がいいですか?
- A
環境と優先事項によります。
隣家との距離があり、ペアガラス・樹脂サッシを選べる場合は窓ありが快適です。隣家が近い・単板ガラスになる・寒さ対策を重視する場合は窓なし(または高窓・FIX窓)の方が後悔が少ないです。
- Qユニットバスの断熱補強はいくらかかりますか?
- A
基礎立ち上がりへの断熱材施工・配管スリーブ気密処理などは、ユニットバス交換工事と同時に行う場合で5〜20万円程度が目安です。
単独で後から施工することが難しく割高になります。交換工事と同時に依頼するのが最もコスト効率が高いです。
- Q浴室リフォームの工期はどのくらいかかりますか?
- A
ユニットバス本体の交換のみであれば2〜4日程度が目安です。
断熱補強や間取り変更を含む場合は1〜2週間程度かかることがあります。工事中は浴室が使えないため、仮住まいや銭湯利用の費用も計画に含めておきましょう。
- Q浴室リフォームに補助金は使えますか?
- A
断熱改修を含む省エネリフォームや、バリアフリー化(段差解消・手すり設置等)を含む場合は補助金の対象になることがあります。
自治体によって独自の補助制度があるケースもあるため、リフォーム業者または市区町村の窓口に確認してください。
- Qお風呂リフォームで値引き交渉はできますか?
- A
値引き交渉よりも、工事内容と適正価格を理解することの方が重要です。相見積もりを取り「安い理由」「高い理由」を比較することで、結果的にコストを抑えられます。
単純な値引き要求は工事品質の低下を招くリスクがあるため注意しましょう。
- Q配管はどのタイミングで交換すべきですか?
- A
目安は築35年以上です。特に在来浴室は解体時に配管の劣化状況を必ず確認し、水圧検査の結果報告をもらいましょう。
既存が塩ビ管なら流用できる場合がありますが、鉄管の場合は塩ビ管部分まで交換が必要になります。
- Q相見積もりは何社くらい取ればいいですか?
- A
最低3社を目安に取ることをおすすめします。
価格だけでなく、現地調査の内容・断熱への言及・見積もりの内訳(「一式」表記でないか)・施工事例まで比較すると、信頼できる業者を見極めやすくなります。
まとめ:お風呂リフォームで後悔しないために
- 値引き交渉より「工事内容の適正さ」を確認することが費用を抑える近道
- 築35年以上の住宅は配管・土台の劣化リスクが高く、事前の現地調査が重要
- 窓は「交換」より「なくす/内窓」の方が断熱・掃除の両面で満足度が高いケースが多い
- ユニットバス本体だけでなく、建物側の断熱・気密処理を同時に行うのが最もコスト効率が良い
- 相見積もりは最低3社、内訳と提案内容まで比較して業者を選ぶ
お風呂リフォームは「新しいユニットバスを入れれば解決する」と思われがちですが、本当の快適さは見えない部分の施工で決まります。
まずは今の浴室の不満点を書き出し、複数の業者に相談しながら最適な方法を探してみてください。



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