ハウスメーカー住宅のメンテナンス方法とリフォームの注意点

メンテナンス

― 建てる前・直す前に知っておきたい大切な話 ―

ハウスメーカーで建てた家のメンテナンスやリフォームを考え始めたとき、
「この家、普通に直して大丈夫なの?」
「費用が高くなりそうで不安…」
「建てたハウスメーカー以外に頼んでもいいの?」

そんな疑問や不安を感じていませんか。

ハウスメーカー住宅は「安心・高品質」というイメージが強く、
建てた当時はメンテナンスやリフォームまで深く考えていなかった、という方も多いはずです。
実は、住み始めてから初めて
ハウスメーカーならではのルールや制限に気づき、戸惑う方は少なくありません。

この記事では、
ハウスメーカー住宅の正しいメンテナンス方法と、
リフォーム時に注意すべきポイントを、
現場経験をもとに施主目線で分かりやすく解説します。

■この記事でわかること

・ハウスメーカー住宅のメンテナンスが難しくなりやすい理由
・リフォームで「できる工事」と「やってはいけない工事」の違い
・建てる前・直す前に知っておくべき重要な判断ポイント

ハウスメーカーの家は決して悪い建物ではありません。
ただし、メンテナンスやリフォームには独自の考え方と注意点があるため、
仕組みを理解したうえで判断することが何より重要です。

strato
大手ハウスメーカー リフォーム部
元エリアマネージャー
エリア実績 全国No1獲得
現在は独立してブログで住まいの情報発信中
建築業界25年の知識を発信します。

この記事を読むことで、
ハウスメーカー住宅のメンテナンスやリフォームに対する不安が整理され、
「何を確認し、誰に相談すべきか」が明確になります。
結果として、無駄な出費や後悔を避け、
自分の家と長く安心して付き合えるようになるでしょう。

ハウスメーカー住宅は「認定工法」で建てられていることが多い

多くのハウスメーカー住宅は、
独自の工法や部材を使った認定住宅として建てられています。

これは
・品質を一定に保つ
・性能を安定させる
という点では、大きなメリットです。

一方で、
工法や材料の詳細が一般には開示されていないことも多く、
第三者の業者が対応しづらい構造になっているケースがあります。

その結果、
「直せないわけではないが、判断が難しい」
という状況が生まれやすくなります。

もとは高度経済成長期には、
職人不足や技術のばらつきにより、質の低い木造住宅が多く建てられていました。
そうした背景の中で、一定の品質を保つために
規格住宅や工場生産による住宅が求められるようになりました。

当時は、腕の悪い大工を揶揄して
「第八」「第七」などと呼ばれるほど、品質差が問題視されていた時代です。
そのため、黎明期の規格住宅については、現在でも注意が必要な建物が残っている場合があります。

メンテナンスコストが高くなりやすい理由

認定工法・専用部材が使われている住宅では、
メンテナンス時にも同じ考え方が求められます。

・指定部材でなければ対応できない
・施工方法が厳密に決められている
・メーカー以外では保証や責任の問題が生じやすい

こうした理由から、
結果的にメンテナンスコストは高くなる傾向があります。

これは決して「ぼったくり」ではなく、
最初からそうした仕組みで成り立っていると理解した方が納得しやすいでしょう。

また、規格化住宅として認定を取得することで、
確認申請の一部を簡略化しているケースもあります。
そのため、
「どのように規格化されているのかが外部から分かりにくく」、
構造や防火に関わる部分について、簡単に施工判断ができないことも多いのです。

元現場経験者として感じたリアルな制限

前職で大手リフォームメーカーに関わっていた経験から言うと、
施工ルールは想像以上に厳しいものでした。

建てたメーカー以外が施工できる範囲は想像以上に限られています。

でも、メンテナンスの点検で見積もり出してもらったけど
金額が高くてびっくりしたよ

そういた経緯で相談に来られるお客様は、非常に多かったです。

やれる工事は非常に限られている

現場では、
「施工的にはできるけれど、ルール上できない」
という工事が数多く存在しました。

その背景には、
後々の不具合や保証問題が絡むという事情があります。

中には、
外壁塗装すらできないハウスメーカーも存在します。

なぜ外壁塗装ができないのか?

理由の一例としては、
塗装後に内部結露や水ぶくれが発生する可能性があり、
一般住宅では起きにくいトラブルが想定される構造だったためです。

リフォームメーカー側としては、
品質や責任を守るために、
あえて「やらない判断」をしているケースも多いのです。

専用部材が手に入らないリスク

ハウスメーカー住宅では、
防水部材や接合部の納まり部材などが専用品であることも珍しくありません。

これらは
・一般流通していない
・メーカー経由でしか入手できない
といったケースも多く、

建てたハウスメーカー以外が施工すると、
リスクの高い納まりになる可能性があります。

見た目はきれいでも、
数年後に不具合が出る――
そんなケースも、実際の調査現場で何度も目にしてきました。

施主の希望で施工されたと思われる工事が、
構造的に大きな問題を抱えていた住宅に出会ったこともあります。

できるのは「表層リフォーム」が中心になる

ハウスメーカー住宅では、
構造材に触れるリフォームは原則できない、
または非常に制限されます。

そのため可能なのは、主に次のような工事です。

・クロスの張り替え
・フローリングの重ね張り
・部分的な床の張り替え

ただし、
・構造次第で2階は不可
・梁や耐力壁の位置によって制限が出る
など、事前確認は必須です。

「他の家ではできたから大丈夫」
という考え方は通用しません。

もちろん、建てたハウスメーカーに依頼すれば
対応できる範囲は広がりますが、
コストアップになる傾向があります。

だからといって、
すべての工事を建てた業者に依頼する必要があるわけではありません。
他の施工店でコストを抑えられる工事も多く存在します。

工務店との違いと、注意すべき考え方

一般的な工務店では、
施主の要望を優先して施工する傾向があります。

それ自体が悪いわけではありませんが、
ここで大切なのは、

「工事ができる」と「やっていい工事」は別物
という考え方です。

ハウスメーカー住宅では、
将来の不具合リスクや責任の所在まで含めた判断が求められます。

実際、構造無視の無茶な増築をしているお宅も何件か調査した経験があります。

建てる時の打ち合わせが、将来を大きく左右する

ここで強くお伝えしたいのが、
建てる時の打ち合わせの重要性です。

ハウスメーカー住宅は、
建てた瞬間から
「将来のメンテナンスルート」がほぼ決まります。

・どこまで将来手を入れられるのか
・メーカー以外で対応できる範囲はどこか
・10年後、20年後の修繕はどうなるのか

これらを、
建てる前に理解しているかどうかで、
住んだ後の満足度は大きく変わります。

説明がなかったからといって、
ハウスメーカーが悪いわけではありません。
ただ、仕組みを知らずに建ててしまうことが、
後悔につながりやすいのです。

「揺り籠から棺桶まで」と言われる理由

業界では揶揄的に
「揺り籠から棺桶まで」
と言われることがあります。

これは、
一生メーカーと付き合うことを前提にした
囲い込みの仕組みがあるという意味です。

ただし、それは必ずしも悪いことではありません。

・間取りや性能に不満がない
・定期的なメンテナンスを任せられる

のであれば、
とても良い建物として長く住める家も多いのです。

実際、多くの建物を調査・再生してきた中で、
ハウスメーカーで建てられた住宅は本当にしっかりしており、
住んでいる方の満足度も高い傾向にありました。

ただし、
将来の生活スタイルの変化やメンテナンスまで想定しておらず、
結果的に
・コストが想定以上にかかった
・工事範囲を諦めざるを得なかった
というケースも少なくありません。

なお、住友林業のように
木造軸組工法を採用しているハウスメーカーでは、
一般のリフォーム会社でも比較的対応しやすい場合があります。

まとめ|最後は「判断できる業者」に依頼することが大切

ハウスメーカー住宅は、
・性能が高い
・品質が安定している

一方で、
メンテナンス方法やリフォームには
独自の制限があります。

だからこそ重要なのは、
出来る・出来ないを正しく判断できる業者に依頼すること。

無理に直すのではなく、
「今やるべきか」「やらない方がいいか」
まで含めて説明してくれる業者こそ、
ハウスメーカー住宅と上手に付き合えるパートナーです。

家は悪くありません。
大切なのは、仕組みを理解した上で、正しい選択をすることです。

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