雨戸が閉めっぱなしになる家の理由

アイキャッチ 仕様

採光・風・プライバシー 窓の役割

「価格抑えたいから、窓は少なめに」
「とりあえず各部屋に腰窓を一つ」
「防犯や視線が気になるから、とりあえず雨戸を付けた」

そんな考えで家づくりを進めた結果、
結局、雨戸は一年中閉めっぱなしになっていませんか?

高断熱・高気密住宅が当たり前になった今、
窓は「熱が逃げる弱点」として扱われがちです。
確かに数値上の性能だけを見れば、その考えは間違いではありません。

しかし現場では、

  • 思ったより室内が暗い
  • 昼間でも照明が必要
  • 風をまったく感じられない

といった暮らし心地への後悔がとても多く見られます。

この記事では、
なぜ雨戸が閉めっぱなしになる家が生まれるのか、
そして断熱性能と快適性を両立させる窓設計の考え方を、
リフォーム・建物調査の現場目線で解説します。

■この記事でわかること
・雨戸が「閉めっぱなし」になる家の共通点
・窓が本来持つ役割
・雨戸のメリット・デメリット
・後悔しない窓配置と視線対策の考え方

窓は減らせばいいという単純な話ではなく、性能と暮らし心地のバランスが何より重要です。
快適な住まいには、適切な窓の“選び方”と“活かし方”が欠かせません。

strato
大手ハウスメーカー リフォーム部
元エリアマネージャー
エリア実績 全国No1獲得
現在は独立してブログで住まいの情報発信中
建築業界25年の知識を発信します。

雨戸を閉めっぱなしにする家の共通点

多くの住宅に共通しているのは、
「なんとなく」で決められた窓の配置です。

  • 採光計算上必要だから腰窓を設けた
  • 昔からの定番配置をそのまま採用した
  • 南側だから明るいだろう、と大きな窓を付けた

一方で、

  • 近隣住宅との距離
  • 道路や歩行者からの視線
  • 将来的な周辺環境の変化

こうした点が十分に考慮されていないケースが非常に多くあります。

その結果、

  • 視線が気になりカーテンを開けられない
  • 雨戸も閉めっぱなしになる
  • 窓が“使われない存在”になる

という流れに陥ります。

多くの場合、
雨戸が悪いのではなく、窓の位置と視線計画が曖昧なまま設計されていることが原因です。

実際、建物調査で古い住宅を訪れると、

  • 雨戸を締め切り、昼間でも真っ暗な室内
  • 家具やタンスで塞がれ、壁と化した窓
  • 空気がこもり、湿気やカビ臭さを感じる空間

こうした住まいを数多く見てきました。

部屋を明るくしたい依頼は非常に多いです。

窓の役割とは?

窓は単なる「開口部」ではありません。

  • 自然光を取り入れる
  • 風を通し、空気を動かす
  • 外とのつながりを感じさせる

採光・採風の計画を怠ると、
性能が高くても快適さを失った住まいになってしまいます。

雨戸を閉めっぱなしにすると失うもの

自然光と明るさ

雨戸を閉めた室内は、昼間でも照明が必要になります。
本来、窓は「無料の照明」であるはずです。

風通し・換気性能

空気の流れは入口と出口が重要です。
風の通り道を考えずに配置された窓は、
開けても空気が動かず、次第に使われなくなります。

住まいの快適性

断熱性能だけを重視すると、
光・風・視線のバランスが崩れ、
「性能は高いのに居心地が悪い家」になりがちです。

人は自然に触れるとストレス軽減、リラックス効果があります

窓を減らせば断熱性能は上がる?【事実と落とし穴】

窓は住宅の中で、最も熱の出入りが大きい部分です。

  • 冬:室内の熱の約58%が窓から逃げる
  • 夏:外から入る熱の約73%が窓を通じて侵入する

出典:住宅省エネ2025キャンペーン

このため、
「窓を減らせば断熱性は上がる」
という考え方自体は間違いではありません。

ただしその結果、
自然を感じられない“箱のような家”になってしまうことも少なくありません。

空調だけで快適にする暮らしは可能ですが、
それだけが本当に豊かな住まいと言えるでしょうか。

2026年度の住宅省エネキャンペーン概要は国土交通省ホームページに乗ってます。

詳細は依頼会社さんに確認してください。

雨戸のメリット・デメリット

雨戸のメリット

  • 防犯性が高い
  • 台風・強風時に安心
  • 遮光・遮音性が高い
  • 断熱補助として一定の効果がある

雨戸のデメリット

  • 閉めっぱなしだと採光・通風がゼロ
  • 昼間でも暗くなりやすい
  • 開け閉めが面倒で使われなくなる
  • 「窓の意味」が薄れる

雨戸は、
「必要なときに使う」前提で設計してこそ活きる設備です。

日差し対策なら
オーニングや電動シャッターが役に立ちます。

窓の本当の役割とは?

窓の役割は断熱だけではありません。

  • 自然光を取り入れる
  • 風を感じる
  • 外とのつながりをつくる
  • 視覚的な広がりを生む

空が少し見える、
植栽の緑が視界に入る。
それだけで人は無意識に安心感を覚えます。

ダメな窓設計の例

  • なんとなく大開口 → 実際は雨戸で締め切り
  • 道路や隣家の視線を考慮しない配置
  • 隣家の窓と真正面で、常に視線が気になる

「窓を作ったのに使っていない」
これは非常によくある後悔です。

視線を避けながら窓を活かす設計のヒント

  • 視線の抜ける方向に窓を向ける
  • 高窓・地窓・トップライトで視線をコントロール
  • 坪庭や植栽を“視線のクッション”にする
  • 周辺の緑や敷地の高低差を活かす

こうした工夫があれば、
雨戸を閉めっぱなしにしなくても落ち着く窓はつくれます。

まとめ|雨戸を閉めっぱなしにしない家づくりへ

雨戸自体は、とても優れた設備です。
問題は「とりあえず付けた窓設計」にあります。

  • 断熱性能
  • 自然光
  • 視線とプライバシー

これらを総合的に考えたとき、
窓は減らすものではなく、活かすものになります。

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