「築35年の木造住宅。そろそろ老朽化が気になるけど、リフォームで済むのか、それとも建て替えるべきか…」
「どちらの方が費用を抑えられるの?住宅性能は大丈夫?」
このような悩みや迷いを抱えていませんか?
築30年以上経過すると、外壁や水まわり、耐震性などさまざまな問題が表面化しはじめます。
特にローン完済や子育てのひと段落といったライフイベントのタイミングで、住まいをどうすべきか真剣に考える方が増えています。
同じような不安を感じている方は、実はとても多いのです。
この記事では、築35年の木造住宅においてリフォームと建て替えのどちらを選ぶべきか、判断基準とその違いをわかりやすく解説します。
費用面・耐震性・ライフスタイル・補助金制度など、あなたにとって最適な選択肢を見つけるヒントをお届けします。
■この記事でわかること
- 築35年木造住宅の構造的特徴と寿命の目安
- リフォームと建て替え、それぞれのメリット・デメリット
- 判断のポイントと具体的な見極め方
築35年の木造住宅は、状態や家族構成、ライフプランによって「リフォームでも十分なケース」と「建て替えが必要なケース」があります。
正しい判断には、住宅性能の現状把握と将来設計のバランスが重要です。
築35年の木造住宅ってどんな家?
耐震基準でいうと、「新耐震基準(1981年施行)」から「2000年以前」に建てられた住宅、いわゆる“81-20住宅”に該当します。
新耐震基準に切り替わってから10年ほど経過し、補強内容も少しずつ浸透してきた頃です。
基礎は「有筋(鉄筋入り)」で、X軸・Y軸方向ともに一定の壁量を確保。
ただし、壁のバランスや金物(構造材の接合部)の強度には、やや不安が残るケースもあります。
簡単に言えば:
基礎は頑丈で、建物の構造強度もある程度担保されています。
しかし壁のバランスが悪いと、大きな地震での接合部の耐力に不安が出ることがあります。
断熱・設備面の実情
当時の断熱性能は、現代の基準と比べるとかなり低いです。
サッシは一枚ガラスが主流で、断熱材がまったく入っていない家もあります。
また、ユニットバスが普及しはじめた時期でもあり、「防水パンのみ」のハイブリッド浴室も存在しています。
最新の設備や耐震・断熱補強を施せば、今後も安心して住める建物になる可能性は高いです。
ただし、バブル期後半の建物は、施工者の技量によって出来にバラつきがある点には注意が必要です。
あとどのくらい持つの?
よく聞かれる質問です。ただし、「どの部分か」によって答えが変わります。
- 木造の構造体:乾燥状態を保てば100年以上持ちます。
- 基礎のコンクリート:大きな劣化がなければ50〜60年以上。
- 瓦屋根(特に西日本):60年以上問題なく使用可。
ただし、定期的なメンテナンスが前提です。
築年数から考えると、モルタル外壁に塗装仕上げの家が多く、すでに1〜2回塗り直しているか、放置で下地が傷んでいる可能性もあります。
この場合、補修費用は高額になることが多いです。
内部の住み心地は?
暮らしていれば、いろいろ気になる部分があるはずです。
- 今の生活スタイルに合わない
- 動線が悪い
- 水まわりが古い
- 収納が少ない など…
これらは木造住宅であれば、リフォームで大抵解決可能です。
また、雨漏りやシロアリ被害、メンテナンス放置がないなら、
建て替えはまだ“もったいない”ケースも多いです。
建て替え or リフォーム? メリット・デメリット比較
判断のカギは、コスト面と「誰が住むか」です。
このようなケースならリフォームが向いています
- 築35年の家を自分で建てた、これからも住み続ける
- ローンは完済済みで、新たに借りるのはリスクがある
▶ この場合、ご年齢も加味してコスト面・手間・住み慣れた環境を考慮して、リフォームが有利です。
建て替えが視野に入るケース
- 築35年前後の住宅を購入した、若いご夫婦
- ご実家にご子息さんが住み続ける場合
▶ 生活の変化・性能面などを考えると、建て替えも検討する価値があります。
リフォームのメリット
- 既存を活かせる分、コストを抑えやすい
- 建物が有るので予算に応じて調整がしやすい
ただし、大規模リフォームになると新築との差が少なくなるため注意が必要です。
補助金などを利用してコスト調整ができる場合もあるので、一度計算してもらってください。
特に「ZEH基準」など現代の断熱性能を目指すと、建て替えの方が合理的なこともあります。
新築のメリットと注意点
- 配置の自由度が高く、耐震・断熱性能もアップしやすい
- 各部材が新しくなり、耐久年数がリセットされる
▶ ただし、価格は坪80万以上が目安。
解体費も高騰しており、早めに動く方が有利です。
固定資産税も、新築では再計算となります。
新築は、夢や理想を自由に形にしたい方に向いている選択肢です。
贅沢品にあたることは、頭の隅に入れておいてください。
建て替えが必要なパターン
以下のような場合は、建て替えを前提に考えるべきです。
- 地盤沈下がある
- 建物の傾きが補強レベルを超えている
- 擁壁などに構造的な不安がある
人体への影響(平衡感覚の乱れなど)が出るような傾きは特に危険です。
また、ジャッキアップや地盤注入などの補修方法もありますが、
コスト倒れになるリスクが高い点も理解しておきましょう。

お家に思い入れのある施主様が一度施工されましたが、
施工条件も有り、なかなか大変な工事になります。
まとめ
築35年の木造住宅は、ある程度の耐震性能を有しながらも、課題も多い建物です。
でも、適切に補強すれば、まだまだ住める可能性が高いのも事実。
リフォームで対応できる範囲は広く、建て替え一択ではありません。
「理想と現実」「予算と家族の将来」——
このバランスをじっくり考えて、信頼できる会社と相談しながら計画を立ててください。
建築費の高騰が進む今、問題の先送りはデメリットが大きくなります。
ぜひ、ご家族と話し合ってみてください。
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