中古住宅の見分け方|後悔しない建物調査のポイントとは?

建物

「中古住宅を検討しているけど、どこを見れば安心なのかわからない…」
「不動産会社に任せて大丈夫なの?あとで後悔したくない…」
そんな不安を抱えていませんか?

実際に中古物件を購入した方の多くが、「もっと事前に調べておけばよかった」と後悔しています。
見た目がキレイでも、見えない部分に欠陥があるケースは少なくありません。
誰だって、大きな買い物で失敗したくないですよね。

この記事では、後悔しない中古住宅の選び方と、建物調査のチェックポイントをわかりやすく解説します。

■この記事でわかること
・素人でも確認できる中古住宅のチェックポイント
・地盤や擁壁など「見逃しがちな注意点」
・床下・天井裏から読み取れる施工品質の見極め方

中古住宅選びで後悔しないためには、「価格」や「立地」だけでなく、建物そのものの状態を冷静にチェックすることが不可欠です。

strato

元大手ハウスメーカー勤務  (エリアマネージャー)
→エリア成績全国No1獲得
新築戸建分譲の現場監督経験を経て大手ハウスメーカー
リフォーム部へ転職
現在は「後悔しない家づくり情報」をブログで発信中!

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建物はどこを見たらいいの?

今後、少子高齢化の影響で住宅ストックはますます増加していく傾向にあります。
新築を建てるより中古物件を検討する方も増えてくるでしょう。

今回は、これまで多くの建物調査を行ってきた中で気づいた重要なポイントをまとめました。
不動産価値の観点ではなく、建物そのものに問題がないかという視点で解説します。

もちろん住むにあたっては、学区・通勤距離・駅近といった条件が重要視されますが、今回はそれを横に置き、建物目線でお話しします。

日本では、木造住宅は一般的に20年で減価償却され、資産価値がゼロとされます。
しかし、2000年以降の新・新耐震基準を満たした建物は、全倒壊のリスクが大幅に低減しています。

価格面でも新築より手頃なので、選択肢としては魅力的ですが、注意ポイントとメリット・デメリットをしっかり理解する必要があります。

地盤・外回りについて

まずは、建っている地域や地盤、擁壁について。

いくら建物がしっかりしていても、地盤が安定していなければ地震時の揺れが増大します。
過去の大地震でも地盤の影響による倒壊事例が多く、液状化もその一例です。
同じ地域でも、山側のしっかりした地盤に建っている家では揺れが小さいことがあります。

役所のハザードマップやネットでその地域の情報を確認できます。
ただし、正確に調べるには地盤調査が必要ですので、気になる場合は業者に相談するのがおすすめです。

擁壁については、私個人の見解ですが、擁壁のある家はあまりおすすめしません。
盛土・切土・安息角(地面が崩れない角度)といった専門知識が必要で、一般の判断が難しく、また水路近くの家は沈下のリスクが高いです。
さらに、擁壁の耐久年数や工事費用は高額で、将来的な負担になる可能性があります。

もちろん、確認申請をきちんと取り、地盤改良・柱状改良などを行っていれば安心ですが、経年劣化による地盤と建物の高低差には注意が必要です。

※外壁・屋根周りについては別の記事で解説していますので、そちらをご覧ください。
施工費が最もかかる部分ですので、メンテナンスで済むかどうかの確認は非常に重要です。
不動産営業担当者の「大丈夫ですよ!」という言葉は、鵜呑みにしない方が良いでしょう。

役所でわかること

役所の建築指導課では、その建物の概要書を取得できます。
これにより、当時の申請がされ、役所のチェックが完了しているか確認できます。
購入前には必ず確認してもらいましょう。

役所の人は一般人にはすごく優しいですよ。
色々教えてもらえます。

確認申請だけ出して確認済証がない家も多く、そうした場合は耐震診断の実施をおすすめします。
中間検査を終えている場合は、構造面の確認がされているので安心材料になります。

可能なら、2000年以降の新・新耐震基準の建物を選ぶのがベターです。
2000年以前のハウスメーカーの家も、独自基準で取り組んでいる場合があり、一般住宅よりリスクは低いといえます。

また、不動産として地域地区・道路課の接道条件・地域指定なども必ず確認してください。
場合によっては建て替えに制約があることがあります。

天井裏・床下の重要性

床下・屋根裏は、その家の“語り部”です。

もちろん瑕疵担保責任により、重要な過失は保証されますが、やはり事前に確認することを強くおすすめします。見えないところをしっかり施工しているかでその建物を建てた職人・工務店の意識が確認出来ます。

床下の清掃状況、換気、シロアリ、雨漏り、水漏れ、沈下の痕跡。
屋根裏では、金物施工の有無、雨染み、断熱材の敷き方、材料の質、施工方法など。

基本的に調査は非破壊で進めます。
多くの点を集めて線にし、立体的な仮説を立てる作業になるので、床下・屋根裏は非常に重要な調査ポイントです。
気になるところは遠慮せず確認してもらいましょう。

害虫駆除業者さんに潜って写真を撮ってもらうと安心です。

メリット・デメリット

中古住宅の魅力

  • 新築に比べて価格が安く、立地条件の良い物件も多い
  • リノベーションで自分好みに変えることも可能

中古住宅の注意点

  • 間取り変更や性能改善には追加コストがかかる
  • 断熱性・気密性など、性能が劣ることがある
  • 「表面はきれい」でも中身がボロボロなケースも

内装リフォームは意外と安価に済みますが、構造・性能面の改修は予算に大きく影響します。
どこにコストをかけるかを明確にしておくことが大切です。

まとめ

✅ 地盤や擁壁などの立地条件をチェック
✅ 役所で建築確認・接道条件を確認
✅ 床下・屋根裏の状態は要チェック
✅ 価格だけでなく、性能・安全性のバランスを重視

「中古住宅は怖い」と思われがちですが、
正しく見て、正しく判断すれば、理想の住まいに出会えるチャンスです。

失敗しない家選びの第一歩として、ぜひこの記事を役立ててください。

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