「築年数も経ってきたし、そろそろ屋根を塗装すべきかな…」
「でも、昔のスレート屋根ってアスベストが使われてるって聞いたし、不安で手が出せない…」
そんなお悩みを抱えていませんか?
実はこのような相談、リフォーム現場でも年々増えています。特に築20年以上の住宅では、スレート屋根の劣化だけでなく、アスベストの有無についても注意が必要。見えない部分だからこそ、どう対処すべきか迷ってしまいますよね。
本記事では、スレート屋根のメンテナンス方法を「塗装で済むケース」と「葺き替えが必要なケース」に分けて解説。また、見分けづらいアスベスト含有建材の判断基準や、正しい処分・対応方法も丁寧にお伝えします。
■この記事でわかること
・スレート屋根の基礎知識と劣化のサイン
・塗装が可能な状態と、塗装NGのケース
・アスベスト含有建材の見分け方と対処法
スレート瓦とは?特徴とメンテナンスの目安
スレート瓦とは、セメントに繊維を混ぜて薄い板状に成形した屋根材です。軽量で施工しやすく、価格も比較的安価なことから、住宅用屋根材として現在も多く使われています。
特に「カラーベスト」や「コロニアル」と呼ばれる製品名でご存じの方も多いかもしれません。
一般的な耐用年数は約20〜30年。
表面の塗装が劣化していくと、苔の発生やひび割れ、凍害などによって破損し、飛散の可能性が出てきます。
ただし、下地の防水施工がしっかりされていれば、すぐに雨漏りする可能性は少ない場合もあります。
石綿(アスベスト)含有建材のメンテナンス
2004年以前に施工されたスレート屋根には、石綿(アスベスト)が含まれている可能性があります。
ただし、見た目で判断するのは困難です。
- 築年数
- 屋根の劣化状態
- 実際に屋根を歩いたときの感触
などから専門家が総合的に判断します。
最終は一部分を摂取して検査機関で判断してもらいます。
石綿が使われていた当時は、「魔法の鉱物」と呼ばれるほど施工性・耐火性・耐久性に優れ、さまざまな建材に使用されていました。
そのため、初期の代替製品はやや脆弱で、2000年前後の屋根材は塗装に向かない場合が多いです。

最近のスレート瓦や外壁サイディング材は改善されいるのでご心配なく。
塗装で対応できるのはどんな状態?
塗装で対応できるのは、ひび割れや欠損が少ない場合です。
2025年現在では、メンテナンス時期を考えると、アスベストを含んだ建材の方が耐久性に優れているケースもあります。
ただし、屋根の塗装は材料選びを誤ると5〜10年で剥がれてしまう可能性があります。
足場を組むだけでも数十万円かかるため、外壁や軒天井などを含めた長期的なメンテナンスサイクルで計画することが重要です。
なお、石綿含有建材も、固形である限りは飛散しないため、人体への影響は基本的にありません。
「アスベストだから怖い」というイメージはありますが、適切に管理されていれば過剰に心配する必要はありません。

オーブントースターの断熱材にも使われているよ
塗装NG!葺き替えを検討すべきケース
次のような状態では、塗装では対応できません。
- 反り返りや剥離が多い
- ひび割れが広範囲に見られる
- 素材自体が劣化している
特に、2000年初期の石綿代替品で作られた建材はこの傾向が強く、塗装しても費用対効果が期待できません。
その場合は、葺き替えか、費用を抑えたカバー工法での施工がおすすめです。
無理に塗装を行うと、作業中の歩行によりさらに剥離が進むこともあります。

築25年前後で屋根や外壁が反っているのは石綿が関係していることも。
昔のサイディング材は薄いもの原因でよく反っています。
アスベスト含有建材の処分はどうなる?
アスベストを含むスレート瓦は、産業廃棄物として適正に処理する義務があります。
撤去の際には、以下のような対応が必要です。
- 専門資格を持った業者による作業
- 粉じんの飛散防止措置(湿潤化、密閉梱包など)
これらの対応が義務付けられているため、通常の解体よりも費用が高くなる傾向があります。
昭和後期から平成初期にかけて建てられた住宅の多くが、現在メンテナンス時期を迎えており、国もアスベスト処理のルールを厳しく定めています。
アスベスト処理の責任は建物の所有者に及ぶため、契約時には必ず説明を受け、必要書類を取り交わしておくことが重要です。
業者からアスベスト調査や処理に関する説明がない場合は、慎重に対応しましょう。

建物所有者は建物のアスベスト関して責任があるよ
まとめ:塗装か葺き替えかの判断は専門家と一緒に
スレート屋根のメンテナンスは、「塗装でいいのか?」「葺き替えすべきか?」を一律で判断することはできません。
- 築年数
- 劣化の進行度
- 屋根材の種類(アスベスト含有かどうか)
- 今後の住まい方
これらを踏まえて、信頼できる専門業者と一緒に点検・検討することが一番の近道です。
心配や疑問がある方は、まずは現地調査の依頼を。あなたの家にとってベストな選択肢を、専門家と一緒に見つけましょう!
外壁材について下記ブログで説明してます。
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