「築年数も経ってきたし、そろそろ屋根を塗装すべきかな…」
「でも、昔のスレート屋根ってアスベストが使われてるって聞いたし、不安で手が出せない…」
そんなお悩みを抱えていませんか?
筆者は、大手リフォームメーカーで、数多くの既存住宅の再生工事に関わってきました。実はこのような相談、リフォーム現場でも年々増えています。
特に築20年以上の住宅では、スレート屋根の劣化だけでなく、アスベストの有無についても注意が必要。見えない部分だからこそ、どう対処すべきか迷ってしまいますよね。
本記事では、スレート屋根のメンテナンス方法を「塗装で済むケース」と「葺き替えが必要なケース」に分けて解説。また、見分けづらいアスベスト含有建材の判断基準や、正しい処分・対応方法も丁寧にお伝えします。
■この記事でわかること
・スレート屋根の基礎知識と劣化のサイン
・塗装が可能な状態と、塗装NGのケース
・アスベスト含有建材の見分け方と対処法
・塗装・カバー工法・葺き替えの費用相場比較

strato
大手ハウスメーカー リフォーム部
元エリアマネージャー
エリア実績 全国No1獲得
現在は独立してブログで住まいの情報発信中
建築業界25年の知識を発信します。
スレート・カラーベストとは?屋根材の種類と特徴を整理

スレート瓦とは、セメントに繊維を混ぜて薄い板状に成形した屋根材です。軽量で施工しやすく、価格も比較的安価なことから、住宅用屋根材として現在も多く使われています。
特に「カラーベスト」や「コロニアル」と呼ばれる製品名でご存じの方も多いかもしれません。
一般的な耐用年数は約20〜30年。
表面の塗装が劣化していくと、苔の発生やひび割れ、凍害などによって破損し、飛散の可能性が出てきます。
ただし、下地の防水施工がしっかりされていれば、すぐに雨漏りする可能性は少ないです。
なお、スレート屋根には「平板スレート(カラーベスト系)」と「天然スレート」の2種類があります。一般住宅に多く使われているのは前者で、本記事もこちらを対象に解説しています。
石綿(アスベスト)含有建材のスレート屋根の注意点
2004年以前に施工されたスレート屋根には、石綿(アスベスト)が含まれている可能性があります。
ただし、見た目で判断するのは困難です。
などから専門家が総合的に判断します。
最終は一部分を採取して検査機関で判断してもらいます。
石綿が使われていた当時は、「魔法の鉱物」と呼ばれるほど施工性・耐火性・耐久性に優れ、さまざまな建材に使用されていました。
そのため、初期の代替製品は脆弱で、2000年前後の屋根材は塗装に向かない場合が多いです。
屋根の上を歩くだけでパキパキ割れて、塗装どころの状態にないこともあります。

最近のスレート瓦や外壁サイディング材は改善されいるのでご心配なく。
参考サイト:ケイミュー【アスベストに関する見解書】
スレート屋根 塗装で対応できるのはどんな状態?

塗装で対応できるのは、ひび割れや欠損が少ない場合です。
2025年現在では、メンテナンス時期を考えると、アスベストを含んだ建材の方が耐久性に優れているケースもあります。
ただし、屋根の塗装は材料選びを誤ると10年前後で剥がれてしまう可能性があります。
足場を組むだけでも数十万円かかるため、外壁や軒天井などを含めた長期的なメンテナンスサイクルで計画することが重要です。

外壁に高価な塗膜を使っても、
屋根が傷んでまた足場を組んでいたらもったいない!
なお、石綿含有建材は、固形である限りは飛散しないため、人体への影響は基本的にありません。
「アスベストだから怖い」というイメージはありますが、適切に管理されていれば過剰に心配する必要はありません。
塗装の目安となるチェックポイントは以下の通りです。
上記に当てはまる場合は、塗装メンテナンスの適切なタイミングです。早めに専門業者へ相談することをおすすめします。
塗装NG!葺き替えを検討すべき屋根の状態 ケース

次のような状態では、塗装では対応できません。
特に、2000年初期の石綿代替品で作られた建材はこの傾向が強く、塗装しても費用対効果が期待できません。
その場合は、葺き替えか、費用を抑えたカバー工法での施工がおすすめです。
無理に塗装を行うと、作業中の歩行によりさらに剥離が進むこともあります。
経験上 多くの場合下地の防水紙も傷んでいます。
屋根を支える合板も腐食している可能性が高いです。
防水紙を既存屋根に重ねてカバーする場合は、後々雨漏れの原因になる可能性も
下地合板処理の金額が見積もりに含まれているかの確認を忘れずに!

各社金額をコスト削減のため
あの手この手を考えています。

金額が下がっても
将来雨漏れのリスクがあるのは困るなー
築25年前後で屋根や外壁が反っているのは石綿が関係していることも。
昔のサイディング材は12mmの薄いものもあります。
当時の部材は反ったり割れたりと 大工さんのイメージは相当悪いです。
葺き替えを検討すべき具体的なサインをまとめると、以下のようになります。
アスベスト含有建材処分の責任は所有者になる!?
アスベストを含むスレート瓦は、産業廃棄物として適正に処理する義務があります。
撤去の際には、以下のような対応が必要です。
これらの対応が義務付けられているため、通常の解体よりも費用が高くなる傾向があります。
昭和後期から平成初期にかけて建てられた住宅の多くが、現在メンテナンス時期を迎えており、国もアスベスト処理のルールを厳しく定めています。
アスベスト処理の責任は建物の所有者に及ぶため、契約時には必ず説明を受け、必要書類を取り交わしておくことが重要です。
業者からアスベスト調査や処理に関する説明がない場合は、慎重に対応しましょう。

建物所有者は建物のアスベスト関して責任があります。
知らないうちに違反している可能性も!
アスベスト含有が確認された場合、工事前に「石綿事前調査結果報告」を行政に届け出る義務があります(2022年4月から義務化)。届出なしで工事を行うと所有者・業者ともに罰則対象になるため、信頼できる業者選びが非常に重要です。
塗装・カバー工法・葺き替えの費用相場を比較
スレート屋根のメンテナンスには大きく3つの選択肢があります。費用・工期・リスクを踏まえて選ぶことが重要です。
| 工法 | 費用相場(30坪目安) | 工期 | おすすめケース |
| 屋根塗装 | 30〜60万円 | 3〜5日 | 劣化が軽微。塗装で10年以上保てる状態 |
| カバー工法(重ね葺き) | 60〜120万円 | 3〜7日 | 下地が健全。コスト重視で葺き替えを避けたい |
| 葺き替え | 100〜200万円 | 5〜10日 | 下地も含めた全面刷新が必要。長期保証を求める |
※費用はあくまで目安です。屋根の面積・形状・使用材料・アスベスト処分の有無によって大きく変わります。複数業者から相見積もりを取ることをおすすめします。
▶関連記事:相見積りを取るべき理由
特にアスベスト含有屋根の葺き替えは、処分費が20〜50万円程度追加されるケースがほとんどです。見積書にアスベスト処分費が明記されているか必ず確認しましょう。
また、カバー工法は「重さが増す」という懸念を持つ方もいますが、現在の金属系軽量屋根材(ガルバリウム鋼板など)を使えば重量増加を最小限に抑えられます。
耐震性を重視する方は、業者に確認したうえで採用を検討してみてください。
▶関連記事:耐震補強の考え方 簡単解説
よくある質問(FAQ)
Q1 スレート屋根とカラーベストは同じですか?
カラーベストはスレート屋根材の商品名(ケイミュー社)です。
スレート屋根の一種であり、一般的に「スレート=カラーベスト」として使われることもあります。コロニアルも同様に別名として広く使われています
Q2 アスベスト含有スレートは塗装できますか?
固形のアスベスト含有スレートは飛散リスクが低く、塗装自体は可能です。
ただし、材質が脆弱化している場合や割れが多い場合は塗装不可。事前に専門家による点検・診断を必ず受けてください。
Q3 葺き替えとカバー工法はどちらがお得ですか?
コスト面ではカバー工法が安い傾向があります。
ただし、下地が傷んでいる場合はカバー工法後に雨漏りが起きるリスクも。長期的に見ると下地ごと刷新できる葺き替えの方がコスパが高いケースもあります。
Q4 アスベスト含有スレートの処分費用はどのくらいかかりますか?
一般的には20〜50万円程度が相場です。
屋根の面積・含有量・廃棄方法によって異なります。見積書に「アスベスト処分費」として明記されているか必ず確認しましょう。
Q5 自分でアスベストが含まれているか調べることはできますか?
目視での判断は非常に困難です。築年数(2004年以前施工)が一つの目安ですが、確実に知るには専門業者による一部採取と検査機関への分析依頼が必要です。
Q6 屋根工事の業者はどうやって選べばいいですか?
屋根工事の専門業者または大手リフォーム会社から複数見積もりを取ることが基本です。
アスベスト処理の説明が丁寧にあるか、見積書が詳細かを確認しましょう。資格(石綿作業主任者など)の有無も選定基準になります。
まとめ:スレート屋根の塗装か葺き替えかの判断は 専門家と一緒に
スレート屋根のメンテナンスは、「塗装でいいのか?」「葺き替えすべきか?」を一律で判断することはできません。
これらを踏まえて、信頼できる専門業者と一緒に点検・検討することが一番の近道です。
心配や疑問がある方は、まずは現地調査の依頼を。あなたの家にとってベストな選択肢を、専門家と一緒に見つけましょう!
外壁材について下記ブログで説明してます。
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