「お風呂が古くなってきたし交換したいな」「どうせ交換するなら広くしたい」「足を伸ばしてゆっくりお風呂に浸かりたい」
こんな思いを持っていても、相談相手も間違えると今のお風呂よりも狭くなってしまうことがあります。
大手ハウスメーカーのリフォーム部で長年、数百件の浴室リフォームを担当してきた筆者が、浴室拡張・水回り位置変更・バリアフリー設計の判断ポイントと費用相場、使える補助金まで一括解説します。
せっかくの住まいの改善タイミングで失敗しないように、知識を付けてベストな相談相手を探して下さい。
■この記事でわかること
・安心して入れる浴室サイズの目安(ユニットバスサイズ比較)
・浴室拡張・水回り位置変更ができるケース・できないケースの判断基準
・バリアフリー浴室の設計ポイント
・工事種別ごとの費用相場(小規模〜大規模)
・介護保険・補助金を活用して費用を抑える方法
この記事では、水回りリフォームにおける位置変更や拡張が実際に可能なのか、どのような制約があるのか、プロの視点からわかりやすく解説します。

strato
大手ハウスメーカー リフォーム部
元エリアマネージャー
エリア実績 全国No1獲得
現在は独立してブログで住まいの情報発信中
建築業界25年の知識を発信します。
狭いお風呂を広くするには位置変更が一番早い

お風呂を広くする代表的な方法は3つ
| 方法 | 内容 | 費用目安 | 工期目安 |
|---|---|---|---|
| ①隣接スペース(洗面室等)を削って拡張 | 洗面室や廊下の一部を浴室に取り込む間取り変更 | 100〜200万円 | 1〜2週間 |
| ②不要なスペースや部屋に移動させる | 使っていない和室や納戸に移動させる | 100〜200万円 | 1〜2週間 |
| ③増築や位置変更による浴室拡張 | 外部に増築し、または空き部屋を浴室スペースとして新たに確保 | 200〜300万円 | 2〜4週間 |
それぞれに、施工上の注意点はありますが、不要なスペースや空いてる部屋に移動するのが実は難易度は一番低いです。配管の状況にもよりますが、給排水はまだ自由は効きやすいです。
在来のお風呂からユニットバスに交換すると、基本狭くなる
お風呂場の位置を変えずに元の位置で、ユニットバスを施工するとき
既存のお風呂の桶や壁のタイルを剥がしても、既製品のユニットはサイズの種類が限られているので、どうしても狭くなります。
対策は、
- 思い切ってお風呂の位置を移動させる
- 隣接する脱衣所の一部を取り込む
この2つの方法が一番現実的です。
注意点は、基礎の立ち上がりや壁や梁の補強が必要になる事です。専門業者に調査してもらい判断してもらう必要があります。
増築の場合は、2025年の建築基準法改正で申請対象が広がり、費用や雨漏りリスクの観点からもあまりおすすめしません。
もちろんできる・できないで言ったらできますが、確認申請して増築したことがあるリフォーム会社はほんの一握りです。
水回り位置変更・拡張前に確認すべき3つの技術的チェックポイント
「広くしたい」という気持ちは明確でも、
すべての住宅で自由に工事できるわけではありません。以下の3点を事前に確認しないと、リフォームが家に悪影響を及ぼすリスクがあります。

施工実績のある業者に依頼することが大切です。
給排水の変更可否

お風呂を機能させるためには、水・お湯・排水(+電気)が必ず必要です。給水・給湯は床下や壁中で分岐できるため、位置変更は比較的対応しやすい部分です。
問題になりやすいのが排水管です。
排水管には「勾配(傾き)」が必要で、これが確保できないと水が流れません。外部の排水マスまで無理なく勾配を取れるかが重要な判断基準になります。
| 確認項目 | OK | 要注意 |
|---|---|---|
| 排水マスまでの距離 | 近い(5m以内目安) | 遠い・障害物あり |
| 床下の高さ | 30cm以上確保されている | 低い・基礎が邪魔 |
| 既存排水管の状態 | 劣化が少ない | 老朽化・詰まりあり |
▶関連記事:外部給排水工事とは?費用相場・チェックポイント
基礎の制約と補強
一戸建て住宅では、水回りの下や周囲に基礎が配置されていることがほとんどです。この基礎を壊して広げることは可能ですが、その場合は必ず構造補強が必要になります。
同じ位置で無理に拡張するよりも、思い切って位置変更の方が合理的という判断になることも珍しくありません。基礎工事は「見えない部分」なので、施工実績が豊富な業者に必ず現地調査を依頼してください。
また、築年数の古い住宅では、在来浴室(タイル張り)や、床下が土で嵩上げされているケースもあり、解体後に腐食やシロアリ被害が見つかることもあります。
▶関連記事:シロアリがいる家の特徴と対策|発生環境・防蟻処理のタイミング
構造の制限

木造住宅では浴室や洗面所の周囲には、建物を支えるための構造上重要な壁が集まっていることが多くあります。
浴室の拡張方向に構造壁がある場合、木造住宅であれば、別の場所に補強壁を設けることで対応できる場合もありますが、軽量鉄骨造や規格住宅では、そもそも触れない壁も存在します。
| 構造種別 | 拡張のしやすさ | 注意点 |
|---|---|---|
| 木造軸組工法 | ○ 比較的柔軟 | 筋交い・耐力壁の位置確認が必要 |
| 2×4(ツーバイフォー) | △ やや制約あり | 面構造のため壁撤去に制限がある |
| 規格住宅 | △ 間仕切り変更以外は拡張は基本不可 | 構造柱の位置に注意 |
「壊せるから壊す」ではなく、「壊しても安全が保てるか」という視点で判断できる業者かどうかが、
リフォームの満足度を大きく左右します。
浴室を広く出来ない場合|空間を最大限に活かせるユニットバス
規格住宅やRC造・S造の場合は、構造補強が困難です。
そんな場合は、タカラスタンダードのぴったりサイズシステムバスがおすすめ!
2.5cm刻みでサイズのオーダーが可能になっています。

出典:タカラスタンダード
人は大きな空間では、数cmの違いに気づけませんが、狭い空間では、数cmの違いを大きく感じます。価格は標準的な他社メーカーの1.5倍ほどは覚悟しておけば購入可能です。
他には、マンション用ユニットバスを戸建に転用することも可能です。
高さ調整の為、足元にコンクリートレンガなどの補強が必要になりますが、サイズバリエーションが戸建用ユニットバスよりも豊富に揃っています。
ユニットバスのサイズを知っておこう
ユニットバスはサイズ(内法寸法)によって「型番」があります。
現在のサイズを把握することが、拡張計画の第一歩です。
| サイズ(型番) | 内法寸法(目安) | 特徴 | 同時入浴 |
|---|---|---|---|
| 1216 | 幅120×奥行160cm | 0.75坪タイプ。大人1人サイズ | △ 大人+幼児なら可・小学生以上は窮屈 |
| 1616 | 幅160×奥行160cm | 最も一般的な1坪タイプ。大人1人+小学生が入れる広さ | ◎ 中学生と一緒でも余裕 |
| 1620 | 幅160×奥行200cm | 1.75坪以上。介護対応に最適な広さ | ◎ 介助スペースも十分 |
孫と一緒に入るなら1616以上がおすすめです。将来の介護も視野に入れるなら1620が理想的です。
注意が必要なのは、S1216や1116サイズ!
在来のお風呂からユニットバス交換の場合、建物傾きや配管関係で寸法がシビアなため、リフォーム会社によっては無難に一回り狭いサイズを提案します。発注して入らなかったでは済まないからです。
正直このサイズは、かなり狭いです。必ずSRで体感してから注文しましょう!
水回りセットリフォームの多くは「商品交換」が中心
一般的なセットリフォームは、
- ユニットバス
- 洗面台
- トイレ
- キッチン
といった設備機器の交換がメインです。
そのため、給排水の位置はほぼそのまま、基礎や構造には手を加えない、壁や床は「壊さない前提」というケースがほとんどです。
築年数が浅く、「特に不便はないけれど、古くなったから新しくしたい」という方には向いています。
▶関連記事:家電量販店リフォームのデメリットと向いている工事|プロが本音解説
お風呂の更に快適性を上げる4つの設計ポイント
浴室を広くするだけでなく、「安全に使える設計」を同時に取り入れることで、孫が来る時も、介助が必要になる将来も安心して使い続けられます。
出入り口の段差解消
浴室と脱衣室の段差は、幼い孫のつまずき・転倒リスクと、将来の車いす・介助対応の両方で解消すべき重要ポイントです。現在の段差が2cm以上ある場合は、リフォーム時に必ずフラットにしておきましょう。
手すりの設置位置
| 場所 | 推奨手すりの種類 | 目的 |
|---|---|---|
| 浴槽の出入り | 縦型+横型(L字) | 立ち上がり・またぎ補助 |
| 洗い場の壁 | 横型(I字) | 立ち座り・バランス保持 |
| 出入り口付近 | 縦型 | 出入り時の体重移動補助 |
手すりは後から追加するより、ユニットバス交換時に壁下地(補強板)ごと設置するのが最もコスパが良い方法です。後付けの場合は壁の強度が不足するケースがあります。
床材の選択(滑り止め)
現在のユニットバスは各メーカーが滑りにくい床素材を採用しています。孫の安全と将来の転倒予防を兼ねて、乾きやすく・滑りにくい床素材を選びましょう。
- TOTO:カラリ床(水はけ4倍・素足で乾きやすい)
- LIXIL:キレイサーモフロア(温かみがあり滑りにくい)
- Panasonic:はりこしフロア(クッション性あり転倒時の衝撃を軽減)
浴室暖房乾燥機(ヒートショック対策)

消費者庁の調査によると、入浴中の事故による高齢者死亡者数は交通事故の約2倍と推計されており、多くがヒートショックによるものです。孫が来るお正月や冬場に備えて、浴室暖房乾燥機は必ず導入しておきましょう。
| 設備 | 費用目安 | 効果 |
|---|---|---|
| 浴室暖房乾燥機(壁付け) | 8〜15万円 | 入浴前に浴室を予熱・洗濯物乾燥 |
| 脱衣所の暖房(電気パネル) | 3〜8万円 | 浴室との温度差を縮める |
| 内窓設置(窓断熱) | 5〜15万円 | 窓からの冷気を大幅削減 |
▶関連記事:お風呂リフォームで後悔しない3つのポイント
補助金・助成金を活用して費用を抑える
バリアフリー対応の浴室リフォームは、国や自治体の補助金を使うことで費用を大幅に抑えられます。事前申請が原則なので、工事前に必ず確認しましょう。
| 補助金・制度 | 対象 | 補助上限 | 条件 |
|---|---|---|---|
| 介護保険 住宅改修費 | 要介護・要支援認定者がいる世帯 | 20万円(自己負担1〜3割) | ケアマネジャーの確認書が必要 |
| みらいエコ住宅(国交省) | リフォーム全般(バリアフリー含む) | 最大60万円 | 登録施工業者に依頼が条件 |
| 長期優良住宅化リフォーム推進事業 | 省エネ・耐震改修とセットの場合 | 最大250万円 | 一定の性能基準を満たすこと |
| 自治体独自の補助金 | 市区町村ごとに異なる | 数万〜50万円程度 | 居住地の窓口・HPで確認 |
介護保険の住宅改修は、要介護・要支援認定を受けている方がいる世帯であれば最も使いやすい制度です。手すり設置・段差解消・床材変更が対象になります。認定を受けていなくても、事前に担当のケアマネジャーに相談しておくことで、将来の改修にスムーズに対応できます。
参考サイト:一般財団法人 住宅リフォーム協議会
できるケース・できないケースの判断チェックリスト
| チェック項目 | OK(工事しやすい) | 要確認(条件あり) |
|---|---|---|
| 排水マスまで5m以内か | ✓ | 遠い場合は追加費用 |
| 床下高さが30cm以上あるか | ✓ | 低い場合は基礎工事が大掛かりに |
| 浴室に隣接する壁が非耐力壁か | ✓ | 耐力壁は撤去できない |
| 木造軸組工法か | ✓ | 2×4・規格住宅は制約が多い |
チェックが多いほど工事はしやすくなりますが、「要確認」項目があっても現地調査をしてみないと判断できないケースがほとんどです。まず複数の業者に現地調査を依頼することが最初のステップです。
▶関連記事:相見積りを取るべき理由簡単解説
信頼できる業者の選び方
浴室の拡張・位置変更・バリアフリー工事は、大工・設備・電気の複数職人が関わる工事です。一括で管理できる業者でないと、工程ミスや責任の所在があいまいになりがちです。
| チェックポイント | 理由 |
|---|---|
| 現地調査を無料で行うか | 現地を見ずに見積もりを出す業者は信頼性が低い |
| 基礎・構造の確認を行うか | この確認を省く業者は後でトラブルになりやすい |
| バリアフリー工事の実績があるか | 介護リフォームは専門知識が必要 |
| 補助金申請のサポートをしてくれるか | 登録施工業者でないと補助金が使えない場合がある |
| 工事後の保証・アフターサービスが明確か | 水回り工事は施工後の漏水リスクがある |
価格の安さだけで判断してしまうと、「安全面が不安で使いにくい」「結局、狭いままだった」という後悔につながります。必ず複数社(3社以上)の現地調査・見積もりを比較しましょう。
浴槽リフォームでよくある質問【Q&A】
- Q孫と一緒に入るには何畳くらいの浴室が必要ですか?
- A
小学生の孫と大人が一緒に入るには、1616サイズ(1.0坪)以上が目安です。
中学生以上の孫や介助が必要な場合は1616(1.0坪)以上を検討しましょう。現在が1216(0.75坪)であれば、サイズアップのリフォームで解決できます。
- Q浴室拡張リフォームの工期はどれくらいかかりますか?
- A
ユニットバスの交換のみであれば2〜5日程度。
隣接スペースとの間取り変更を伴う場合は2〜3週間、工事中はお風呂が使えないため、銭湯・スーパー銭湯の利用や仮設シャワーの手配も検討しておきましょう。
- Q介護保険の住宅改修を使うには何が必要ですか?
- A
要介護・要支援認定を受けていることが条件です。
工事前に担当のケアマネジャーに相談し「理由書」を作成してもらう必要があります。自己負担は1〜3割(認定区分による)で、上限20万円の工事費用を補助してもらえます。申請は工事前に行うことが原則です。
- Q手すりは後から追加できますか?
- A
可能ですが、ユニットバス交換時に「壁補強板」を入れておくのが最もコストが低く確実な方法です。
後付けの場合は壁の強度確認が必要で、補強板のない壁に取り付けると強度不足のリスクがあります。リフォーム時に「将来の手すり設置を見越した補強」を業者に依頼しておきましょう。
- Q築古住宅でも浴室の拡張はできますか?
- A
できるケースは多いですが、築年数が古いほど基礎の劣化・配管の老朽化・構造の問題が出やすくなります。
現地調査で状態を確認したうえで判断することが必須です。基礎補強や配管交換を同時に行うことで、安全なリフォームが可能になります。
- Q複数の業者から見積もりを取るときのポイントは?
- A
①現地調査を必ず実施してもらうこと
②見積もり内訳が明細になっているか確認すること
③バリアフリー・補助金申請の対応実績があるかを聞くことこの3点が重要です。「安さ」だけでなく「何をどこまでやってくれるか」を比較することが、後悔しない業者選びのコツです。
まとめ|今のタイミングでまとめてリフォームが最善
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 浴室サイズ | 1616以上、介護対応なら1620が理想 |
| 技術的確認 | 給排水・基礎・構造の3点を現地調査で確認 |
| バリアフリー設計 | 段差解消・手すり・滑りにくい床・暖房をセットで導入 |
| 補助金活用 | 介護保険・こどもエコすまい等で費用を大幅削減 |
| 業者選び | 現地調査必須・複数社比較・補助金サポートの有無を確認 |
介護が現実になってから慌てて工事するより、今のタイミングでまとめてリフォームする方が費用も手間も圧倒的に少なくて済みます。
「うちの家でもできるのかな?」と思ったら、まずはプロに現地調査を依頼するところから始めてみてください。家の構造や築年数によって最適な方法は変わります。複数社の意見を聞き比べることが、後悔しないリフォームへの第一歩です。




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