古民家にエアコンを設置する方法

建物

— 匠の仕上がりを邪魔せず、美しく快適に —

古民家で暮らしていると、
「夏は涼しくて快適だけと、冬は底冷えする…でも匠の美しい仕上がりを壊したくない」
こんな悩みをお持ちではありませんか?

古民家は現代住宅と構造がまったく違うため、
通常のエアコン工事では失敗するケースが多いのも事実。

この記事では、古民家特有の構造や美しさを損なわずにエアコンを設置する方法を、
建築のプロ目線でわかりやすくお伝えします。

私自身、古民家のリフォームに長年携わる中で、
“美しい意匠を残しながら現代の快適性を取り入れたい”というお客様の声を数多く受けてきました。

■この記事でわかること
・古民家にエアコンが効きにくい理由と改善策
・匠の仕上がりを崩さない設置ポイント
・断熱性能を補いながら快適性を上げる方法


古民家構造の特徴・適したエアコンの選び方・美観を損なわない設置方法・断熱を高めて効きを良くする工夫を、プロ目線でわかりやすく解説します。

strato

元大手ハウスメーカー勤務  (エリアマネージャー)
→エリア成績全国No1獲得
新築戸建分譲の現場監督経験を経て大手ハウスメーカー
リフォーム部へ転職
現在は「後悔しない家づくり情報」をブログで発信中!

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エアコンを設置するときの最大の悩みは?

そもそも古民家は現代住宅と構造が違う

古民家には、その土地の職人のこだわりが詰まった美しさがあります。
ただしその分、構造には以下のような特徴があり、エアコン工事の難易度が上がります。

  • 土壁・真壁構造で配管穴が開けにくい
  • 断熱材がほとんどない
  • 天井が高く、空間が広い
  • 建具やサッシの隙間風が多い

つまり、一般的な工事のノウハウでは、
「冷えない/暖まらない/設置できない」などの問題が発生しやすいということ。

だからこそ、“古民家に詳しいプロの視点”が欠かせないのです。

隙間風対策(古民家では最重要)

古民家の性能を考えたとき、エアコンの効きを左右するのが隙間風対策です。

特に昔ながらの住宅では、
サッシが木製のままのケースが多く、冬は寒く夏は暑い原因の筆頭になります。

まずはサッシの交換を検討

理想は樹脂サッシですが、古民家はサイズや外観との相性から適合しない場合も多いため、
樹脂複合サッシで断熱性能の高いタイプを選ぶとバランスが良いでしょう。

外観を守りたい場合は内窓が有効

外壁に手を加えたくない場合、
室内側に内窓を設置するだけで劇的に改善します。

縁側と和室の間には、
障子調のデザインサッシを選ぶと雰囲気を崩さず快適性をアップできます。

また、欄間がある部屋で内窓を設置する場合は、
上部の欄間をFIX(はめ込み)に変更
またはあえて塞いでしまうことも検討の価値があります。

出典:LIXIL

エアコンの配管穴を開けても大丈夫?(プロなら可能)

土壁や漆喰壁に穴を開けるのは、確かに慎重さが必要です。

●理由

  • 壁が崩れやすい
  • 補修が難しい
  • 柱や貫(ぬき)に干渉しやすい

ただし、
古民家の施工経験がある職人であれば問題なく施工できます。

配管穴には

  • 専用スリーブ
  • 補強材
    を使うため、強度も美観も確保できます。

「匠の仕上がりを壊したくない」という方こそ、
経験豊富な工事店を選びましょう。

古民家にエアコンを設置する方法

— 田の字造り・縁側・欄間…古民家ならではの悩みを解決 —

田の字造りの間取りと縁側を乗り越える工夫

築50〜60年以上の古民家には、
田の字造り+南北の縁側 or 中廊下 という昔ながらの構成が多くみられます。

また、続き間の座敷には

  • 床の間
  • 仏間
  • 障子
  • 上部の欄間
    など、「どこにエアコンを付けるの?」という特徴的な意匠が残っています。

親の代では「傷つけるのが嫌でエアコンを付けなかった」というご家庭も少なくありません。

しかし、古民家の美しさを損なわずに設置するポイントがあります。

【目立たず設置する3つのポイント】

対策1:配管が長くても効率が落ちにくい機種を選定

古民家では配管距離が4〜5mになることも普通です。
長距離配管でも能力が落ちにくい機種を選ぶと快適性が大きく変わります。

対策2:床下を利用して配管し、目立ちにくい位置に設置

古民家は基礎がない or 通気が多い床下構造がほとんど。
実はこれが“メリット”にもなります。

床下を通して配管すれば、
表に配管が露出しにくく、外観を損なわないスマートな仕上がりになります。

対策3:襖や障子の一部に方立てを作り、小壁を新設

「部屋の中に壁がない」古民家あるあるに対応する方法です。

襖や障子の一角に
細い方立て(縦の部材)を入れて小壁を造作することで、

  • コンセントの設置
  • 目立ちにくい配管処理
    が可能になります。

古民家の意匠を残しつつ、現代の設備を自然に馴染ませられるテクニックです。

欄間はどうする?(残す・塞ぐの2択で美しく解決)

欄間は古民家の象徴的な意匠ですが、
エアコン設置の妨げになることもあります。

残したまま設置する方法

補強フレームを利用すれば、
欄間を残したままでもエアコンを取り付けることは可能です。

ただし見た目がやや不自然になる場合があります。

あえて一部を塞ぐという選択

「意匠を守る=すべて残す」ではありません。

一箇所だけ塞ぐことで

  • エアコンがきれいに設置できる
  • 部屋の断熱性が上がる
    というメリットがあります。

塞いだ欄間は再利用して
インテリアパネルやフットライトとして活かすと、
古民家の魅力を引き継ぎつつ機能性も両立できます。

まとめ

古民家の美しさを損なわず、匠の仕上がりを守りながらエアコンを設置するには、
構造理解・技術・経験の3点セットが不可欠です。

  • 土壁・真壁ならではの施工ポイント
  • サッシや欄間を含めた断熱向上
  • 田の字造りの間取りに合わせた配管テク
  • 目立たず設置できる工夫
    これらを押さえれば、古民家でも快適な暮らしは十分可能です。

“古民家に強い施工店”を選び、
あなたの家の魅力を最大限に生かしたエアコン設置を実現してください。

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